【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  28,248.44   ▼60.02  ( 8/25 )
NASDAQ:  11,466.47   △86.75  ( 8/25 )

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は31日から構成銘柄から除外される銘柄の下げが重石となり4日ぶりに反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の一角が買われたことで4日続伸となり揃って史上最高値を更新しました。

ダウ平均は38ドル高でスタートすると取引開始直後に92ドル高まで上昇しましたが、まもなくして売りが優勢になると下げ幅を広げ昼前には213ドル安まで下落しました。その後午後に入って徐々に持ち直したダウ平均ですが結局60ドル安の28,248ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数は12ポイント高の3,443ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント高の11,466ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は84.8と前月から低下し市場予想も下回りました。また、6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比3.5%上昇に止まり市場予想を下回りました。一方で7月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比13.9%増の90万1000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやヘルスケア、一般消費財・サービスなどの6業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%近く上昇しました。一方で5業種が下げ、エネルギーが1%を超える下落となったほか、公益事業も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄から除外されることになったエクソンモービル(XOM)が3%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、同じく構成銘柄から除外されるレイセオン・テクノロジーズ(RTX)とファイザー(PFE)も1%以上下げています。

一方で新たにダウ平均構成銘柄に採用されることになったバイオ製薬のアムジェン(AMGN)と顧客情報管理のセールスフォース・ドットコム(CRM)、機械のハネウェル・インターナショナル(HON)が買われました。アムジェンが5%以上上げたうえ、セールスフォース・ドットコムとハネウェル・インターナショナルも3%以上上昇し、セールスフォース・ドットコムは取引終了後に発表した決算で売上高が市場予想を上回ったことから時間外で急伸しています。

また、スターバックス(SBUX)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて5%余り上げ、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も目標株価の引き上げを受けて4%近く上昇しています。アプリにネット通販セクションを開設したフェイスブック(FB)も3%を超える上昇となりました。家電量販店大手のベストバイ(BBY)は決算が市場予想を上回る増収増益となったものの、今後減速するとの見通しを示したことで4%安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い0.68%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が大幅高となった昨日の地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)