東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて下落しました。日経平均は107円安の23,003円で寄り付くと9時30分過ぎに32円安の23,078円まで持ち直しましたが、戻し切れないと10時20分過ぎに節目の23,000円を割り込んで下げ幅を広げ11時過ぎに181円安の22,928円まで下落し、161円安で前場を終えました。一段安となった後場の日経平均は213円安の22,897円でスタートすると14時過ぎに258円安の22,851円まで下落し本日の安値を付けると、その後も安値圏で推移し結局229円安の22,880円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆7748億円と2兆円を下回りました。
2.個別銘柄等
パナソニック(6752)が一時4.8%高まで上昇しました。電気自動車の米テスラ(TSLA)の主力車モデル3の拡販や新型車の生産増に対応し百数十億円を投じ米国の電池工場に追加の組み立てラインを作り電池の生産能力を増強すると伝わったことが好感されました。上げ幅を縮め引けは1.5%高となっています。また、茂木外相が20日から東南アジア各国を訪問し入国制限の緩和を巡って協議に臨むと伝わったことで航空需要が徐々に持ち直すとの期待から空運株が買われました。日本航空(9201)が2.6%高、ANAホールディングス(9202)も1.4%高となりました。さらに日立金属(5486)が後場に大きく上げ幅を広げ7.3%高となりました。日立製作所(6501)が子会社の日立金属を売却する検討に入ったと伝わったことで買いを集めました。日立製作所もこの報道を受けて上昇に転じ0.7%高となっています。
一方で利益確定の売りが出て半導体関連株が安く、SUMCO(3436)が3.8%安、東京エレクトロン(8035)が3.3%安、SCREENホールディングス(7735)が5.2%安、アドバンテスト(6857)が3.6%安、ディスコ(6146)が4.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株安を受けて229円安となりました。朝方は節目の23,000円を前に下げ渋る場面もありましたが、薄商いが続き夏枯れ相場となっていることもあって積極的な買いに乏しく23,000円を割り込むと下げ幅を広げ後場に入って一段安となりました。ただ、本日の下げで12日と13日に開けた窓(22,874円-23,111円)を埋めただけに明日以降切り返す展開となれば調整一服への期待も出てきそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と8月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)