【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27,931.02  △34.30 (8/14)
NASDAQ: 11,019.30  ▼23.20 (8/14)

1.概況

先週末の米国市場は経済指標が強弱入り混じる格好となるなか小幅に高安まちまちとなりました。67ドル安でスタートしたダウ平均は137ドル安まで下落した後持ち直すと昼前にプラスに転じ午後に入って81ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず取引終盤に上げ幅を縮めると下落に転じました。 しかし、下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局34ドル高の27,931ドルで取引を終え反発となっています。

一方でS&P500株価指数が0.5ポイント安の3,372ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も23ポイント安の11,019ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

7月の米鉱工業生産指数は前月比3.0%上昇し市場予想と一致しました。設備稼働率は70.6%と前月から上昇し市場予想を上回っています。8月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も72.8と前月から上昇し市場予想を上回りました。6月の米企業在庫は前月比1.1%減に止まり市場予想ほど減少しませんでした。

一方で7月の米小売売上高は前月比1.2%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、一般消費財・サービスなどの6業種が下げ、公益事業は1%近く下落しました。一方でエネルギーや資本財・サービス、金融などの5業種が上げ、エネルギーは1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%以上上げ上昇率トップとなりました。また、ボーイング(BA)も2%近く上げたほか、ダウ(DOW)も1%近く上げています。一方でトラベラーズ(TRV)やシスコシステムズ(CSCO)、キャタピラー(CAT)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)などが軟調でした。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)が4%近く上げています。電気自動車のテスラ(TSLA)も投資判断の引き上げを受けて2%近く上昇しました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い0.71%となりました。ドル円は106円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいなかで日経平均が先週末までの4日間で960円近くも上げていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。

こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に4-6月期のGDP速報値が発表される予定です。前期比年率でマイナス27%程度の大幅な落ち込みが見込まれていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)