東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続伸となりました。日経平均は74円高の23,323円で寄り付くと直後に89円高の23,338円まで上昇しましたが、上げ幅を縮め取引開始から20分余りで下落に転じると昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり前場を25円高で終えました。9円高でスタートした後場は後場寄り直後に12円安と下落する場面もありましたが、直ぐにプラスに転じるとその後は小幅高で推移しました。
結局、日経平均は39円高の23,289円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落しましたが、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)が14.4%高、カジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が5.5%高となりました。ZOZO(3092)の創業者で前社長の前沢友作氏がユナイテッドアローズの株式を約8%、アダストリアの株式を約6%取得し大株主となったことでインターネット販売強化などへの期待が高まり買いを集めました。
また、大戸屋ホールディングス(2705)と業務提携を発表したオイシックス・ラ・大地(3182)が事業拡大への期待から11.8%高となり上場来高値を更新しました。さらに電通グループ(4324)が一時6.6%高まで上昇しました。昨日の取引終了後に発表した2020年12月期上期決算で売上高にあたる収益は新型コロナウイルスの感染拡大で企業が広告出稿を絞る動きが広がり減収となったものの、出張費や交際費などコスト削減を進めたことで営業利益が6割近い大幅な増益となったことで買われました。引けは2.2%高となっています。
一方で新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年12月期上期の営業損益が180億円余りの赤字となったことですかいらーくホールディングス(3197)が一時6.1%安まで下落しました。下げ幅を縮め引けは2.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は堅調な地合いを引き継ぎ小幅に続伸となりました。本日は昨日の米国市場が高安まちまちで新たな買い材料に乏しいなかで昨日までの3日間で日経平均が900円以上上げた反動で下げてもおかしくなかったといえます。
しかし、予想に反して小幅ながら上昇し、売りが優勢となる場面でも下げ幅は小幅に止まりました。昨日に1カ月以上続いてきた25日移動平均線を挟んで揉み合う展開から上に放れ、節目の23,000円をおよそ2カ月ぶりに回復し6月に付けた戻り高値(23,178円)も上回ったことで先高期待が高まっているといえそうですが、夏休みを終え参加者が戻ってくる来週も今週の後半の堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、週明け17日の8時50分には4-6月期のGDPが発表される予定ですが、大幅なマイナス成長が見込まれていることから注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)