2017年以降の最高に拡大してきた米ドル売り越し

CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(主要5通貨=日本円、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、加ドルのポジションをもとに試算)は、先週にかけて売り越しが17万枚以上に拡大してきた(図表1参照)。

【図表1】CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション(2017年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

2017年以降で見ると、2017年9月、2018年3月など、米ドル売り越し拡大は17万枚で一巡した。それを参考にすると、米ドル売りはかなり「売られ過ぎ」懸念が強まっており、米ドル売り拡大はそろそろ一段落する可能性が注目される。

ところで、そのような米ドル売り拡大の一巡は、当然のように米ドル安のピークともほぼ一致してきた。ユーロ/米ドルは、上述の2017年9月、2018年3月に、ユーロ高・米ドル安が一巡、ユーロ安・米ドル高に転換した(図表2参照)。

【図表2】ユーロ/米ドルの週足BIDチャート (2017年9月~)
出所:マネックストレーダーFX

ちなみに前者では、この米ドル売り拡大一巡を前後して、ユーロ/米ドルは約2ヶ月弱で5%程度の反落となった。そして後者では、約4ヶ月で8%程度の反落となった。これを参考にすると、かりに先週の1ユーロ=1.19ドルでユーロ高・米ドル安がピークアウトしたなら、大幅な米ドル売り越しの調整に伴う米ドル買い戻しにより、少なくとも9月末にかけて1.15ドル割れへ向かうユーロ/米ドルの反落が展開する見通しになる。