東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は大幅高となった昨日の堅調な地合いを引き継ぎ続伸となりました。2円安の22,747円とほぼ横ばいで寄り付いた日経平均は取引開始直後に40円安余りまで下落した後プラスとなりまもなくして120円高余りまで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると再び下落に転じ10時前に79円安の22,670円まで下落しました。
しかし、持ち直しプラスに転じると11時過ぎに124円高の22,874円まで上昇し本日の高値を付けました。上げ幅を縮め38円高で前場を終えた日経平均は53円高で後場をスタートさせると12時40分前に117円高の22,867円まで上昇しましたが、14時過ぎには35円高まで上げ幅を縮めました。その後引けにかけてやや戻した日経平均は結局93円高の22,843円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が続落となった一方で、日経ジャスダック平均は続伸となっています。
2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に発表した決算で2021年3月期の第1四半期の営業利益が増益を確保した銘柄に大きく上昇するものがみられました。ロート製薬(4527)が第1四半期の営業利益が前年同期比0.4%増と微増ながら増益となったことで3.3%高となったほか、住友不動産(8830)も第1四半期の営業利益が1.7%増と小幅ながら増益となったことで3.2%高となりました。また、第1四半期の営業損益が赤字ながら市場予想ほど赤字額が膨らまなかったIHI(7013)も5.9%高となっています。さらに2020年12月期上期の営業利益が5.3%増となった荏原製作所(6361)も急伸し11.4%高となりました。
一方でソフトバンクグループ(9984)が2.7%安となりました。第1四半期の純利益が11.9%増の1兆2557億円となり大幅な赤字となった前四半期から急回復をみせたことで朝方に上昇する場面もありましたが材料出尽くしとなり売りが優勢となりました。楽天(4755)も7.8%安となりました。2020年12月期上期の営業損益が207億円の赤字となったことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は続伸となりました。下落して始まりましたが、下げ渋ると買いが優勢となりました。昨日の米国市場が下落するなかで上昇となっただけに1カ月以上25日移動平均線を挟んで揉み合ってきた相場から上に放れて節目の23,000円を試すような展開にも期待が膨らみますが、夏休みをとる投資家も多く、決算発表もほほ一巡となるなかで昨日からの堅調な地合いを明日以降も維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)や第一生命ホールディングス(8750)、セコム(9735)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)