東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は利益確定の売りで3日ぶりに反落となりました。日経平均は93円安の22,479円で寄り付くと下げ幅を広げ10時前に217円安の22,356円まで下落しましたが、朝方の売りが一巡すると持ち直し142円安の22,431円で前場を終えました。さらに下げ幅を縮め77円安の22,495円でスタートした後場は12時50分前に19円安の22,554円まで持ち直しましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げ14時前に127円安の22,445円まで下落しました。しかし、日経平均はその後下げ幅を縮めると結局58円安の22,514円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均は揃って3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に決算を発表したソニー(6758)が1.6%安となりました。2021年3月期の第1四半期の営業利益が前年同期比1.1%減に止まり市場予想を大きく上回ったうえに、自社株買いや増配を発表したことで買い先行で始まり一時1.7%高まで上昇し年初来高値を更新する場面もありましたが、成長の柱である画像センサー事業が苦戦していることもあって買いが続かず下落に転じました。また、2020年12月期の上期決算を発表し通期の業績予想を下方修正した山崎製パン(2212)と東海カーボン(5301)が大きく下げました。山崎製パンは通期の営業利益の見通しを275億円から200億円へと引き下げたことで10.7%安となり、東海カーボンも営業利益の見通しを282億円から61億円へと見直したことで3.3%安となりました。一方で後場に決算を発表した日清食品ホールディングス(2897)が第1四半期の営業利益が前年に比べ2倍となったことで決算発表直後に急速に上げ幅を広げ6.2%高となりました。良品計画(7453)は7月の直営店の既存店売上高が前年同月比で10.5%増と高い伸びを示したことで9.3%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。昨日の米国市場は続伸となりナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新しましたが、日経平均は昨日までの2日間で860円以上上げた反動で利益確定の売りに押される展開となりました。一時は220円近く下げ昨日に回復した25日移動平均線(22,507円)を下回る場面もありましたが、下げ幅を縮めると引けでは上回っています。日経平均は6月下旬以降25日移動平均線を挟んで上下する展開が続いていますが、本日も25日移動平均線に絡む一日となりました。なお、決算発表が続いていますが、本日も引け後にディー・エヌ・エー(2432)やホンダ(7267)などが決算を発表するほか、明日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算発表を予定しています。また、日本時間の21時15分には米国で7月の米ADP全米雇用リポートが、そして23時には7月の米ISM非製造業景況感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)