米ドル/円はなぜ大きく動き出し、それは続くのか!?
この数ヶ月方向感の乏しい小動きが続いてきた米ドル/円が、先週後半から急に大きく動き出した。それは、1米ドル=106円割れがきっかけになったように見えなくない。
ところで、この106円とは、2015年から続いてきた米ドル/円の長期三角保ち合い下限とほぼ一致する(図表参照)。今年に入り、この長期三角保ち合いプレーク局面は何度かあったが、いずれも値動きが急に活発化した。
【図表】米ドル/円の月足チャート (2015年~)
教科書的には、長期三角保ち合いブレークは、保ち合いスタート水準に戻るトレンド相場の始まりとされる。今年の、保ち合いブレーク後の値動き活発化も、そういった過去の経験を期待した面が大きかったかもしれない。
ただし、結果的には、長期保ち合いブレークも、これまでは保ち合いスタート水準に戻るトレンド相場への期待の裏切りを繰り返してきた。
今回、保ち合い「下放れ」で、保ち合いスタート水準に戻るなら、2016年6月、いわゆるBrexit(英国のEU離脱)ショックで記録した98円へ向かう米ドル安・円高トレンドの始まりとなる。それとも今回も、長期保ち合い放れの大相場期待は裏切られるのか?