東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は3日ぶりに小幅に反発しました。日経平均は75円高の22,772円で寄り付くと取引開始直後に92円高の22,788円まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると10時過ぎに下落に転じ10時50分に116円安の22,580円まで売られ前場を80円安で終えました。下げ幅を縮め29円安の22,666円でスタートした後場はまもなくしてプラスに転じると先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局21円高の22,717円で取引を終えています。こうしたなか新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って3日ぶりに反発となっています。
2.個別銘柄等
NEC(6701)と富士通(6702)がともに年初来高値を更新しました。英国政府が中国の通信機器最大手のファーウェイを排除する方針を決めたことで次世代通信規格「5G」の通信網づくりで日本政府に対し協力を求め、NECや富士通がファーウェイに代わる調達先となる可能性に言及し、両社の技術やコストの競争力を高める支援を要望したと伝わったことが好感されました。NECが2.3%高、富士通が4.0%高となっています。パソナグループ(2168)も8.2%高となりました。先週末の取引終了後に発表した2020年5月期の営業利益が前期比で12%近い大幅な増益となり、2021年5月期も小幅な減益に止まる見通しとなったことで買いを集めました。富士ソフト(9749)も電子商取引やテレワーク関連の案件が好調だったことで上期の営業利益が従来予想を上回って前年同期比1割増の75億円強になったもようだとの観測報道を受けて4.8%高となり年初来高値を更新しています。
一方で政府が22日から実施するGo Toトラベルで東京発着と都民を対象除外としたこともあって利用者が期待していたほど増えないのではとの懸念からエイチ・アイ・エス(9603)やKNT-CTホールディングス(9726)、旅行比較サイトを運営するオープンドア(3926)などが売られ、エイチ・アイ・エスが4.1%安、KNT-CTホールディングスが4.5%安、オープンドアが3.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の終値を挟んで上下する展開で方向感に欠ける一日でした。先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料に乏しかったこともありますが、今週は週後半が休場で取引が3営業日しかないことから様子見になりやすいといえます。なお、今晩の米国市場では取引終了後にIBM(IBM)が決算発表を予定しているほか、明日は日本市場でも引け後に日本電産(6594)やディスコ(6146)などが決算を発表する予定で、決算発表が日本でもスタートします。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)