【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26,642.59  △556.79 (7/14)
NASDAQ: 10,488.58  △97.73 (7/14)

1.概況

米国市場は出遅れていた景気敏感株に買いが入り大幅高となりました。41ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に90ドル安まで下落する場面もありましたが、まもなくして買いが優勢になるとその後は一日を通して上げ幅を大きく広げる展開となりました。引け間際に604ドル高まで上昇したダウ平均は結局556ドル高の26,642ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も97ポイント高の10,488ポイントと反発しています。

2.経済指標等

6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.6%上昇し市場予想と一致しました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比1.2%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、素材と資本財・サービスも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が5%近く上昇したほか、トラベラーズ(TRV)とシェブロン(CVX)、エクソンモービル(XOM)、ホーム・デポ(HD)、マクドナルド(MCD)も3%以上上昇し、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とダウ(DOW)も3%近く上げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ医薬大手のモデルナ(MRNA)が開発中の新型コロナウイルスワクチンの後期治験を今月27日ごろから開始する計画を示したことで4%以上上げました。また、フォード・モーター(F)は根強いファンが多いブロンコブランドの多目的スポーツ車(SUV)を発売すると発表したことで5%近く上げています。一方で銀行大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が決算で最終赤字が市場予想を上回り大幅な減配を発表したことで4%を超える下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.63%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日の下げを取り戻すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられていますが、本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)