東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は昨日に大幅高となった反動で4日ぶりに反落となりました。64円安の22,649円で寄り付いた日経平均は下げ渋ると朝方にプラスに転じる場面もありましたが、27円高で上値が押さえられると下げ幅を広げ11時過ぎに174円安の22,540円まで下落し本日の安値を付けました。やや戻し126円安で前場を終えた日経平均は123円安で後場をスタートさせると13時30分過ぎに173円安の22,541円まで売られ前場の安値に迫りました。しかし、日経平均は前場の安値を前に下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局99円安の22,614円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が出資する米保険スタートアップ企業のレモネード(LMND)が昨日の米国市場で17%高と急伸したことで4.6%高となり昨日に続いて年初来高値を更新しました。また、昨日の米国市場で半導体大手のザイリンクス(XLNX)や半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)などが買われ主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を付けた流れを受けて日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が1.5%高となり連日で上場来高値を更新したうえ、アドバンテスト(6857)が4.8%高、ディスコ(6146)も3.4%高となっています。

さらにエムスリー(2413)はソニー(6758)と連携し新型コロナウイルスで面会制限が出ている医療機関に向けに遠隔面会システムの提供を開始すると発表したことで3.6%高となり上場来高値を更新しました。ヤマトホールディングス(9064)も6月の宅急便取扱高が前年同月比で18.7%増となったことで6.1%高となっています。

一方で青山商事(8219)は6月の既存店売上高がスーツなどが低調に推移したことで前年同月比34.8%減となったことから6.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反落となりました。昨日の米国市場は大幅続伸となったものの、昨日に400円以上上げた翌日ということもあって利益確定の売りに押されました。しかし、本日は昨日に一週間ぶりに回復した25日移動平均線(22,489円)を上回って推移し上昇トレンドを維持しました。明日以降は主要な上場投資信託(ETF)の決算日が8日と10日に集中していることから分配金支払いに絡む売りを警戒する見方もあります。そうしたなかで日経平均が上昇トレンドを継続できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)