緊急事態宣言が解除されて1ヶ月ほどが経ち、私たちの暮らしは徐々に以前と同様に戻りつつあります。日々、感染者数の増減が報道され、第二波、第三波も心配されている中、人との距離と感染予防を意識しながら、今までと同じように電車に乗り、仕事をし、買い物をするといった生活行動ができるようになってきています。

通常に近い生活が始まると、気になるのが「お金」のこと。コロナ禍で休業や失業が相次ぎ、多くの人が無収入、収入減という問題を実感した今、多くの方が「万が一の時の蓄えが必要だ」と思っていることでしょう。また、2019年の「老後2000万円問題」からも、お金を貯めなくてはいけないと思っている人が増えています。

そこで今回は、お金を貯めて増やしていくためのポイントをお伝えします。

お金を貯める3つのポイント

「お金を貯める方法」は様々な媒体で紹介されています。今まで興味深く見ていた人も多いかもしれませんが、お金を貯め、増やすための基本的なポイントは3つしかありません。

(1)収入を増やす
(2)支出をコントロールする
(3)運用で増やす

この3つ。非常にシンプルです。

お金を貯めようとすると、多くの人は「支出をコントロールする」ことだけに取り組みがちでした。支出を減らしてお金を手元に残すことが、手っ取り早く取り組めることだからです。ただ、節約だけではなかなかお金は貯まりません。

これらをバランスよく組み合わせてお金を貯め、貯まったら運用で増やすことが、「お金を貯める・増やす」ためのポイントなのです。

収入を増やす

自営業の場合は、頑張れば収入を増やすことができるかもしれません。しかし、会社員の場合は会社で副業を禁止しているケースも多く、なかなか取り組みにくいことでした。

ここ最近では「働き方改革」として国も副業を認めるようになり、様々な形態の副業にチャレンジする人が増えました。仕事が休みの日にアルバイトをする人、会社に籍を置きながら事業を立ち上げる人、趣味を副業に活かす人もいます。ですが、本業をやりながら副業をすることは大変です。本業に支障が出てしまうと、逆に収入が減ってしまう可能性もあるからです。

また、専業主婦(夫)で「子どもの手が離れたので働いてみたい」という動機から収入を得るのも良いと思います。「自分が今一番にこなすべき役割」というものもあるでしょうから加減は大事ですが、可能であれば収入増にチャレンジしてみることも良いと思います。

支出をコントロールする

支出をコントロールするというのは、つまりムダな支出を削減するということです。無理な節約は長続きしないのでお勧めしません。自分や家族にとって必要な支出はしっかりと捻出し、そうではない支出をカットしていきます。

支出にメリハリをつけ、自分らしい暮らしをしながら、収入の中で支出が収まり、かつ余剰金も安定して出せるようコントロールしていくのです。今、何にいくらを使っているのかを書き出し、把握することが必要です。また、そこで把握して気づいたことを行動に移すことも大事です。

ただ、「支出をコントロールして5万円の余剰金を出したい」と思っても、支出削減だけでは上手くいかない場合も多いでしょう。そういう場合は、3万円の収入を増やし、2万円節約でねん出するなど、収入と節約とを組み合わせると、上手く5万円を作り出すことができます。

お金を貯めるために必要なポイントを把握し、バランスを考えながら組み合わせると、このように貯めるためのお金を作り出せ、貯めやすくなるのです。

運用で増やす

収入、支出のバランスで安定して余剰金が出るようになれば、少額で投資を始めてみましょう。しっかり貯めてからでもよいのですが、始めるのが遅くなると投資期間が短くなるのでもったいない。投資信託の積立なら、少額から投資を始められます。ネット証券なら100円から始めることも可能なところがいくつかあります。預貯金と並行して取り組むことも検討の価値があります。

無理をせず、まずは預貯金を優先して、一部を投資に回します。毎月3万円、5万円貯められるようになったという人なら、抵抗がなければ毎月3,000円、5,000円ほど積み立て始めても良いでしょう。抵抗があれば、もっと少ない金額で試してみるのもありです。そして、慣れてきて、「もう少し多く積み立てて運用したい」と思えるなら、徐々に積立金額を増やしていきます。

投資ですからリスク(不確実性)がありますが、運用益だけではなく、長期間継続することで得られる複利の効果に期待し、将来に向けた資産形成を目指します。

お金を貯めるには1つのことに懸命に取り組むだけでは効率が悪いものです。お金を作り出す3つのポイントをバランスよく取り入れ、自分らしく暮らしつつも、お金を貯め、増やすことができる強い家計を作っていただきたいと願っています。