人気通貨の豪ドル/円

個人投資家に人気のある豪ドル/円は、一時の76円台から反落、このところは73円前後での推移が続いている。もう上昇は終わったのか、それともまた高値更新に向かうのか。

上昇一服とはなったものの、それでも豪ドル/円は、足元で72.5円程度の52週MA(移動平均線)を、先週まで4週連続で上回った(図表1参照)。経験的には、52週MAを1ヶ月以上といった具合に「長く」ブレークする動きは一時的ではない可能性が高い。その意味では、上昇は足踏みしているものの、豪ドル/円上昇は継続的で、この間の高値更新に向かう可能性が高まっていると見られなくない。

【図表1】豪ドル/円と52週MA(2008年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

そういった中で気になるのは、金利差との関係だ。日豪10年債利回り差は、豪ドル/円が70円を下回っていた「コロナ前」から大きな変化はなく、必ずしも70円以上の豪ドル高を正当化するものではない(図表2参照)。

【図表2】豪ドル/円と金利差(2019年7月~)
リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

金利差的には「勇み足」の可能性もある豪ドル高・円安。それが正当化されるかは、ひとえに米ドル/円が円安傾向を維持できるかが、鍵ではないか。