今週から東京の街も徐々に正常に戻ってきました。オフィスに出社する人の数は、まだ平常時より少ないですが、先週に比べると明らかに人が増えています。飲食店も営業時間を夜10時まで延長するところが増え、テイクアウトだけではなく、店内営業を始める店も目立ってきました。
株式市場も回復し、日経平均は22,000円台を回復しています。日本株式は、他の先進国を超える株価の上昇となりました。これは、ロックダウン無しに新型コロナウイルスの感染拡大を阻止し、緊急事態宣言の解除まで到達し、アメリカや香港のような国内の混乱がないことが市場から評価されているからだと言えます。
新型コロナウイルスの感染に関しては、まだ予断を許しませんが、今回のコロナショックは、短期間で社会に大きな変化をもたらしました。
コロナショックはビジネス拡大の「好機」にもなる
今回のコロナショックで大きなマイナスの影響を受けたのが、飲食と宿泊ビジネスです。多くの飲食店は休業で売り上げが激減していますが、テイクアウトやデリバリーにシフトして、むしろ売り上げを伸ばしている店舗も存在します。
クラウドファンディングの仕組みを活用して、資金調達に成功し、危機を乗り切った飲食店も存在します。手前味噌になりますが、私が経営している銀座のワインバー(SHINOBY'S BAR 銀座)も、4月に1年間有効の特典付きの前売りチケット(10万円と5万円)を紹介したところ、50名以上の方に会員になっていただけました。
また、イベントの自粛で、アーティストや司会・講演といった仕事をしている人たちの収入も激減したようです。
私も講演者として登壇する予定だったセミナーが、4月以降のスケジュールはほぼ全てキャンセルか延期になりました。しかし、その代りに始めたZOOMを使ったオンラインセミナーは、初回の開催では600名以上のお申込みがあり、従来の会場でのセミナーよりも集客はむしろ高まりました。しかも、参加者も国内だけではなく世界各国からアクセスがあり、オンラインセミナーに大きなメリットがあることがわかりました。
コロナショックで格差は拡大する
コロナショックだからといって、同じ業界であっても同じようにビジネスがシュリンク(収縮)しているわけではありません。結果はやり方次第、工夫次第ということです。
コロナショックと過去の経済混乱との違いは、市場全体が沈んでしまうのではなく、同じビジネスエリアでも、うまくいく人と行かない人の差が拡大していることです。
変化に対応できず、売上減少を嘆き新たな挑戦ができない人と、変化をチャンスに変え、コロナショック前よりも業容拡大している人。2つの差は、これからますます開いていくことでしょう。
これは、企業経営者や自営業者だけではなく、会社に勤務しているビジネスパーソンにも当てはまります。リモートワークが普及すると、働き方が変わり、それに対応できるかどうかで格差が広がっていくと考えられます。
例えば、リモートワークに必要なITのスキルや、遠隔でのコミュニケーション能力の有無が重要な要因になるでしょう。変化への対応力によって社内での格差は拡大します。成果に応じた評価によって、実力の伴わない人は給与を下げられたり、最悪の場合はリストラされたりするかもしれません。
正解が見えない世界でのサバイバル術
コロナショックがこれから社会をどのように変えていくのか、予想することは困難です。しかし、今までの動きを見ていて気が付くことは、「正解が見えないなら、取り敢えず動いてみる」こと。変化を前向きに捉えるスタンスが大切だということです。
危機が迫ってくると、そこから目をそらし、誰かの助けや嵐が過ぎるのをじっと待つ。そのような受け身の考え方よりも、危機をチャンスと捉え、変化の中から新しい成長の機会を積極的に探していくべきではないでしょうか。
前例がないことに立ち向かうには、色々やってみて、良いと思うことだけを取捨選択していくしかありません。失敗を恐れてチャレンジしないより、たくさん失敗して、その中から成功を見つけていく。これは仕事術だけではなく、資産運用にも通じる考え方です。
コロナショックをチャンスに変えるために、失敗を恐れず積極的に行動していきましょう。