資産運用はお金の不安を解消するためにこれから益々重要になります。ところが、資産運用をしてもお金は増えないと思い込んでいる人がいます。

日本人は、そもそも自分で働いて稼ぐことには熱心ですが、お金に働いてもらうことには消極的な人が多いのではないでしょうか。これは「資産運用=悪いこと」という偏見や思い込みも1つの要因となっているようです。

これから益々多くの人が資産運用を始めることが予想されますが、やり方を間違えると、逆にお金を減らしてしまい、お金の不安を高めることになりかねません。

思い通りの資産運用の結果が得られない人には、どんな特徴があるのでしょうか。私が今まで見てきた「うまくいかない人」たちの共通のパターンを書いてみようと思います。

特徴1 勉強しない

資産運用のやり方は、日本の学校では教えてくれません。ところが勉強しなくても、証券会社の口座に資金を入れれば、誰でも運用を開始できてしまいます。

車の運転のように教習所に通って運転免許を取得する必要は無く、誰でも我流で適当に資産運用が始められます。しかし、そんな「無免許運転の投資家」は、車の運転と同様、最終的には事故を起こして失敗してしまう危うさがあります。

特徴2 リスクを取りすぎる

投資を途中で止める主な理由の1つは、大きな損失を出してしまうことです。相場の急落で資産の大半を失うと、その時点で諦めて市場から撤退してしまうのです。

しかし、相場の下落局面とは、投資を止めるタイミングというより、安値になった金融商品を購入できるチャンスでもあります。リスクを取り過ぎると、相場の下落時に大きなマイナスになってしまい、そんなせっかくのチャンスを逃してしまうことになるのです。

特徴3 感情的である

資産運用を感情的に行うと良い結果にならないことは、行動経済学でも立証されています。

例えばプロスペクト理論では、投資家が利益は早く確定したがり、損失の確定は遅れがちになることが指摘されています。感情的な取引は、儲かるとすぐに売却して、その後の利益機会を逃してしまう。その一方で損切が遅れて損失が拡大してしまうのです。

だから、資産運用は感情をコントロールして冷静に取引することが必須です。

特徴4 短期志向である

短期で売買を繰り返しても、多くの個人投資家はあまり利益を上げることができません。なぜなら、短期売買は、長期投資とは異なり付加価値が発生することがありません。投資家同士が富の奪い合いをしているという見方もできます。

そんな他の投資家の損失からしか自分の利益を得られないような状況で、自分だけが勝ち続けることは極めて困難です。

特徴5 資産全体を俯瞰(ふかん)しない

特定の資産だけの価格動向に一喜一憂していると、資産全体の動きが把握できなくなります。資産運用で重要なのは、自分の資産を分散させて、トータルでリスクコントロールしながら増やしていくことです。特定の資産の値動きだけにとらわれていては、資産全体のリスク管理を行うことができず、資産運用としては不完全です。

特徴6 人の意見を聞かない

資産運用で成功している人は、周囲の人たちからのアドバイスを素直に聞いて、良い点をすぐに取り入れる柔軟性を持っている傾向があります。

自分のやり方にこだわって、いつまでも変わらない方法で資産運用を続けていると、環境の変化に対応できません。周囲の意見に耳を傾け、相場環境が変わってくれば、新しい資産運用の方法も積極的に取り入れていくことが大切です。

特徴7 投資の目標が明確になっていない

資産運用はお金を増やすことだけが目的ではありません。お金は手段であって、そのお金を使って実現したい目標があるはずです。

やみくもにお金を増やすことを考えるのではなく、自分の人生の目標を立てて、それを実現するために必要なお金をどうやって手に入れるかを考える。そのようなアプローチをしなければ、いつまで経ってもお金に振り回されることになってしまうのではないでしょうか。

 

ここで紹介したような「やってはいけないこと」を避けるだけでも、投資の成果は大きく改善するでしょう。自分の資産運用のやり方を見直すきっかけにしてみてください。