NYダウ2万3000~2万4000ドルのレンジ・ブレークは?
先週の米ドル/円も107円前後での一進一退に終始しました(図表1参照)。1週間の最大値幅は1.19円。こんなふうに、週間値幅が1円前後の小幅にとどまる結果は、4月以降すでに約1ヶ月半続いています。ではなぜ、米ドル/円は4月以降、方向感を欠いた小動きが続くところとなったのか。
【図表1】米ドル/円の日足チャート(2020年2月~)
「コロナ・ショック」とされた世界的な株の大暴落は3月末に一段落となりました。NYダウは、これまでのところ3月23日で底を打った形となっています(図表2参照)。以上のように見ると、米ドル/円など為替相場も「コロナ・ショック」でボラティリティーが急上昇しましたが、その「コロナ・ショック」が一段落したことで、ボラティリティーが低下した状況が続き、今に至っているということではないでしょうか。
【図表2】過去半年間のNYダウの日足チャート(2019年11月~)
ところで、NYダウは「コロナ・ショック」一段落の後、「コロナ・ショック」による下げ幅のほぼ半値戻しの水準まで反発しました。NYダウの場合、「半値戻し」は2万4000ドル程度になりますが、4月以降はおおむねこの「半値戻し」に近い2万3000~2万4000ドル中心のレンジで一進一退が続いてきました。
このレンジをどちらにブレークするかは、株の小動きが終わり、今後の方向性を考える上で注目したいと思います。そして為替は、そんな株の方向性が手掛かりになるのではないでしょうか。
最近の米ドル/円と米国株の関係は、株安なら米ドル買い、株高なら米ドル売りといった具合に、逆相関の傾向がありますが、新たな方向性が出る場合には、これまで長く続いた両者の順相関の関係、つまり株安なら米ドル/円下落、株高なら米ドル/円上昇を前提に注目したいと思います。