GDPナウは-42.8%、GDPナウキャストは-31.1%=米2Q成長率予想

米国のGDP成長率は、コロナ感染予防のための経済活動停止により、第1四半期はマイナス4.8%といった具合に大幅なマイナス成長となったが、より本格的な影響が出る見込みの第2四半期はさらにマイナス30~40%といった空前の記録になるといった見方が強まっている

定評の高いGDP予測モデル、アトランタ連銀のGDPナウは5月15日、第2四半期成長率予想をマイナス42.8%と発表した。また、NY連銀のGDPナウキャストが同日発表した第2四半期成長率予想はマイナス31.1%だった。それにしても、ケタ外れの悪い数字だけに、どう評価するか難しいところだ。

参考までに、過去の代表的なGDP悪化のケースを見てみよう。たとえばリーマン・ショックのケースでは、2008年第4四半期に6%以上の大幅なマイナスとなり、そして2009年第1四半期も4%以上の大幅なマイナスが続き、結果的には約1年マイナス成長が続くところとなった

「ショック」発生後の2四半期のマイナス成長は、このリーマン・ショックのケースでもとても比較にならないほど、今回の場合は劇的な悪化見通しとなっているわけだ。ただ今回の場合、経済活動が再開されると、第3四半期以降は成長率が急回復すると今のところ考えられている。ケタ外れのマイナス成長も、感染防止対策から仕方ないとして、経済活動の再開により、どれだけ早く成長率が回復するかがカギになる

ちなみに、1929年からの世界恐慌では、1929年から1932年にかけて、世界のGDPが15%も減ったとされている。今のところ、米国の第2四半期のGDPは、1四半期で見た場合、世界恐慌を上回る大幅な減少になるといった予想になっている。以上のように見ても、第3四半期以降、どれだけ早く、大きくこの減少を回復できるかが注目されそうだ。