東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は利益確定の売りが出て反落となりました。日経平均は186円安の19,312円で寄り付くとスタートから50分弱で296円安の19,202円まで下げ幅を広げましたが、持ち直すと前場は148円安の19,349円で取引を終えました。後場は224円安でスタートするとじりじりと下げ幅を広げる展開となりました。引け間際に484円安の19,014円まで売られた日経平均は結局455円安の19,043円と本日の安値圏で取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆6513億円となり1月29日以来の2兆円割れとなっています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数が反発し、日経ジャスダック平均は6日続伸となりました。
2.個別銘柄等
事業環境の厳しさが改めて意識され売られる銘柄がみられました。リクルートホールディングス(6098)が派遣休業に備え3メガバンクに計4500億円のコミットメントライン(融資枠)の設定を求めていると伝わったことで8.0%安となりました。他の人材派遣銘柄にも売りが広がりパソナグループ(2168)が5.8%安、パーソルホールディングス(2181)も6.3%安となっています。オンワードホールディングス(8016)も前期の決算が営業赤字となったうえ、2021年2月期に国内外で700店規模を閉店すると伝わったことで急落となり10.4%安となりました。また、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)は3月のドン・キホーテの既存店売上高が訪日客の落ち込みなどで前年比12.1%減となったことで5.7%安となっています。一方で大幅減益の業績予想を発表したイオン(8267)ですが、業績予想を未定とする企業も多いなかで見通しを示したことが好感され3.0%高となっています。そのほか材料が出たところでは、シキボウ(3109)が抗ウイルス加工「フルテクト」を施した繊維素材がコロナウイルスに対して抗ウイルス効果があるとの試験結果を得たと発表したことで30.0%上昇しストップ高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の米国市場が休場で新たな買い材料に乏しいなか先週に1,700円近く上げたことや、25日移動平均線からの乖離も5%を超えてきたこともあって利益確定の売りが出て薄商いのなかで下げ幅を広げてしまいました。こうしたなか本日は何とか節目の19,000円を維持しましたが、明日以降も19,000円近辺で底堅さを示せるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)