記録的な「下がり過ぎ」続く原油

原油相場、WTIが2日、20ドル程度から一時は27ドル以上に急騰した。トランプ米大統領が、サウジアラビアとロシアの減産の可能性についてツイートしたことに反応した。

重要なのは、原油相場は、このところ記録的な下がり過ぎとなっていたということだろう。WTIの90日MA(移動平均線)からのかい離率は、一時はマイナス60%まで拡大、2000年以降で最高のマイナスかい離率となっていた(図表1参照)。

【図表1】WTIの90日MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

こういった状況だからこそ、「トランプ・ツイート」にも過敏な反応になったということだろうし、「下がり過ぎ」修正で原油相場の反発が続く可能性はあるだろう。それは、基本的には豪ドルなど資源国通貨にプラス材料となる可能性がある。

豪ドルは、中国との経済関係の緊密さなどから、中国株との相関性で説明されることも少なくないが、最近の両者の関係は決して強いものではなかった。世界的な株価大暴落が広がる中では、上海総合指数の下落は比較的抑えられた状況が続いたが、それを尻目に豪ドルは一段安となった(図表2参照)。

【図表2】豪ドル/米ドルと上海総合指数(2019年7月~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

そんな豪ドルの動きは、資源価格を含むコモディティーの総合指数であるCRBインデックスが比較的うまく説明できた(図表3参照)。さすがに代表的な資源国通貨である豪ドルは、原油など資源価格との相関関係が基本的に高いということだろう。以上のように見ると、原油相場が「下がり過ぎ」修正で、反発に向かうようなら、それは資源国通貨の中の1つである豪ドルにもプラスになるだろう。

【図表3】豪ドル/米ドルとCRB指数(2019年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成