新型コロナウイルスの影響で、市場は大きく変動しています。株価は下落し、為替レートも大きく動きました。今回のコロナショックによるマーケットへの影響はまだ当面続きそうですが、いずれ感染はピークを超え「アフターコロナ」の時代に入って行きます。
資産運用は世の中の変化の一歩先を読むことが重要です。目先のコロナショックに対応することも重要ですが、その先を考える時間もそろそろ取っておいた方が良いでしょう。
私は、コロナショックによって世界の価値観が大きく変わるのではないかと思っています。個人投資家の資産運用にも変化が押し寄せると考えています。そのポイントとして3つを上げておきたいと思います。
変化1 分散効果を高めるために投資対象を広げる動きが加速する
今回のコロナショックで分かった事は、安定したインカムゲインの強さでした。株式や投資信託といった金融資産だけのポートフォリオでは、価格の変動が大きく、さらなる分散が重要だと考えられます。
例えば、売電収入を毎月受け取る太陽光発電投資や、都心のワンルームマンションのような好立地の居住用不動産は、毎月の収益へのコロナショックの影響は現時点ではありません。
金融資産とリスク・リターンの異なるこのような資産を組み合わせることで、分散効果を更に高めることができる場合があります。
変化2 困った時に相談できる投資家コミュニティへのニーズが高まる
マーケットが混乱したり、相場が下落したりすると誰でも不安になるものです。そんな時に相談できる仲間がいる事はとても心強いものです。
インターネット上の情報は玉石混交で、どの情報を信用して良いのかわからないことが多いのです。こうなってくると、日ごろから情報交換を密にして、信頼できる投資家仲間の存在が価値を持つようになります。
個人投資家が集まるコミュニティがあれば、たくさんの人たちの知恵を集めて変化や危機に対応することができます。そんなコミュニティが、これから増えていくのではないかと予想します。
但し、コミュニティ内の情報についての信頼性も各自で判断する必要があると考えます。
変化3 経済的利益追求一辺倒から脱却する投資家が増える
資産運用の目的は、自分の資産を増やすことです。しかし、それだけではなく、社会貢献や自分がサポートしたい人を助ける。そんな目的から、お金と付き合う人が増えると予想します。
東日本大震災の時も、東北の被災企業を応援する「復興支援ファンド」にたくさんの個人投資家から資金が寄せられました。このような自己の経済的利益を最優先にしない資産運用が、これから更に投資家の支持を得るようになると思います。
例えば、今回のコロナショックでは、宿泊業や飲食店などが、直接的に大きな影響を受けています。普段利用するホテルや旅館、飲食店を応援したいという人もそれなりに多いと思います。クラウドファンディングのような仕組みを使って支援する動きには投資家の支持が集まるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスは世界の人々の命を奪い、資本主義社会にも甚大な被害を出す、憎むべき存在です。しかし、暗く憂鬱な中から、変化を見出し、未来への希望へとつなげていきたいと思います。