新型コロナウイルスの拡大により、イベント開催の自粛、学校は休校、仕事は在宅勤務を導入する企業が増え、生活の仕方がすっかり変わってしまいました。失業や勤務時間、勤務日数の短縮等による収入減も起きており、「コロナ不況」への不安が高まってきています。
生活の危機感はまず物資の不足から始まりましたが、今ではその収入減や暮らし方の変化による家計管理の仕方へと意識が変わってきているようです。政府は給付金など収入面での支援を検討中ですが、私たちは生活を維持するためにどのようにお金と向き合っていけばよいでしょうか。
変化している「支出」
新型コロナウイルス騒ぎにより、自宅で過ごすことが増えています。そのことで、家計の支出も変わりました。
一番支出が増えているのは食費。家で食べることが増え、家の中にいることで自然に食べ物に手が伸びることもあるようです。また、純粋な食費とは異なりますが、ロックダウン(首都封鎖)も起こりかねない状況であるため、買いだめするお金もかかっています。
そして日用品代も増えています。マスクが消え、トイレットペーパーも手に入りにくくなったため、入荷しているのを見かけるといくつもまとめ買い。おひとり様1つなどと決まっていても、家族人数分購入するなど、いつもより多く買って備えようとします。
水道光熱費も増えました。自宅にいればトイレも今まで以上に使うでしょうし、炊事そのものも増えます。テレビを見たり、ゲームをしたり。自宅で仕事をしていてもこれらはかかってきます。
このように、生活に必要な支出がいつもより増え、収入内でのやりくりを難しくしています。収入が減っているなどという要素を抜きにしても、です。
逆に減っている支出もあります。なんだと思いますか? 「交際費」と「娯楽費」です。行動の自粛により、生活以外の支出が減っているのです。
今だからできる、家計、お金の対策
今ここで、支出を削減するということは難しいことかもしれません。ただ、今だからできることもあります。
いつもより多少時間ができたというのなら、それを機会にまずは固定費を見直してみる。通帳やクレジットカードの明細を振り返れば把握しやすい部分ですから、比較的簡単にできるでしょう。そこから、通信費は安くできないか等と調べてみると、意外と支出を減らせる策を見つけられるかもしれません。
また、家計簿をつけ始める、支出を振り返るなど家計管理の基本的なことが身についていない方は、この時期を利用して「記録」を始めてみることも良いと思います。意外と気が付くことが多いかもしれません。
株価が乱高下している今、興味を持って日々の株価の動きを見ている人もいるでしょう。そこに興味を持って継続して動きを見ていくことも良いと思います。社会のどういうことが影響して今の株価に結びついているなどを考えるようになると、いま本当に必要な「備え」がいち早く分かってくるかもしれません。
普段はできなかったことを、今のこの環境を利用して取り組んでみるということは、社会情勢が回復した後にも役立つことでしょう。