東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は1,204円高の1万8092円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など総じて上昇しました。中でも日経平均は7.1%高、マザーズ指数は8.1%高とそれぞれ大きく上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は下落しましたが、日本市場は昨日の堅調な地合いを引き継いで319円高の1万7206円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げると、やや伸び悩む時間帯もありましたが10時半頃から一段高となり前場を1,138円高の1万8026円で終えました。日経平均は後場に入ると上げ幅を700円あまりまで縮める場面もありましたが、再びジリジリと上げ幅を広げると引けにかけて騰勢を強めて結局1,204円高と1日の高値近辺で取引を終えました。

東証1部の売買代金は3兆6191億円となりました。東証33業種は鉱業や不動産業、石油石炭製品、海運業など29業種が上昇しました。一方で陸運業、電気・ガス業、パルプ・紙、食料品の4業種が下げました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が19%近い大幅高となったほか、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、武田薬品工業(4502)、KDDI(9433)、三菱UFJ(8306)がいずれも上昇しました。ファーストリテイリングも14%高近く、東京エレクトロンも18%の大幅高でソフトバンクグループとの3銘柄で440円以上引き上げています。一方でキーエンス(6861)は小幅に下落しました。

その他材料が出たところでは遺伝子治療薬の開発を手掛けるマザーズ上場のアンジェス(4563)がストップ高となりました。大阪大学と共同で開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの原薬が完成し、動物への投与を行う非臨床試験準備が整ったと発表したことが買い材料視されました。また、今期の業績予想を大幅に上方修正したミクシィ(2121)も15%超上げています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は1,204円の大幅高となりました。マーケットの悲観心理は大きく後退したようですが、日経平均の上昇分のうち440円以上は日経平均寄与度の高いソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、東京エレクトロンの3銘柄の上昇分でありテクニカルな買い戻しの側面もありそうです。日本株は一番底をつけた感もあり、反発継続に期待したいところですが、新型コロナウイルス問題は不透明要素が大きいだけに過度にリスクを取りすぎず、警戒感を持ちながらマーケットに臨みたいところです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)