今年社会人になる人たちは、今は4月からの仕事のことで頭がいっぱいかもしれません。しかし、仕事のスキルを身に付けるのと同時に、お金との付き合い方も学び、実践していきましょう。そうアドバイスするのには理由があります。
これからは収入格差より運用格差が大きくなる
その理由とは、仕事の能力による収入の格差以上に、これからは資産運用によって将来の経済力に大きな差がつくようになっていくからです。なぜなら、預貯金の金利は極めて低く、何もしなければ資産は増えません。また、為替がもし円安になれば、何もしない人は保有している円資産の実質価値が下落します。これらの影響は仕事の収入より遥かに大きなものになる可能性があります。
そして、資産運用は若いうちにやればやるほど有利です。40代50代になってから慌てて始めても手遅れになってしまう可能性が高いのです。
資産運用の「検討使」になってはいけない
資産運用が大事だと言われても、何からやったらいいのかわからないという人も多いでしょう。
私が提案しているのは「走りながら考える」ことです。本を読んだり、セミナーに参加したり、充分勉強してから満を持して始めるのではなく、例えば10,000円でも良いので、まずは投資を始めてみることです。
なぜなら、資産運用とは理論も重要ですが、やってみないとわからないこともたくさんあるからです。
もちろんセミナーなどに行くことも大切です。でも、セミナーに行くだけでは、資産は増えません。実際にリスクを取って投資をしなければ、お金が働いている状態にならないからです。
私のセミナーにも、頻繁に勉強しにやってきて、いつまで経ってもこれから投資をするかどうか検討している人がいます。そんな検討ばかりして、やらない言い訳をしている人を「検討使」と呼んでいます。そんなやり方では、投資に使える大切な時間がどんどん過ぎていくだけです。
まずインデックスファンドの積み立てをやってみる
何からやったら良いかわからない人は、投資信託を使って毎月10,000円の月次積立を始めてください。投資信託をネット証券で購入すれば、自動積み立てで資産形成していくことができます。
毎月積み立てる金額を決めてしまえば、後は自動的に買い付けを行ってくれますので、天引きの預金のように資金が追加投資されていくことになります。
投資信託もたくさんあってどれを選んだら良いかわからない。そんな人は、インデックスファンド(※)を選んでください。
私も積み立てを続けていますが、日本株のインデックスファンドを40%、先進国の株式のインデックスファンド30%、新興国の株式のインデックスファンド30%という比率で、ずっと積み立てしています。
株価が上がっても下がってもやめないことが大切
今回のコロナショックのような株価の下落局面があっても、積み立ては辞める必要はありません。むしろそんな時こそ、安く仕込めるチャンスと考えましょう。
投資の初心者は、FXで大きなリスクを取ったり、株式の個別銘柄の売買を行ったりしがちですが、労力とストレスの割に成果はあまり期待できません。
逆に、リスクを恐れて、定期預金などでコツコツ資産形成と考えている人もいるでしょうが、金利が低く、資産は増えません。またインフレになれば貨幣価値は下がってしまいます。リスクを取らないのも、またリスクなのです。
投資は正しい方法で長く続ければ、成果につなげることができます。今年社会人になる人たちには、人生100年時代であれば、80年近い資産運用の時間が残されています。
この時間を最大限に活用するためには、今すぐ投資を始めることです。
「時間」というお金で買えない財産を最大限に活用して、お金の不安を解消してください。
(※)インデックスファンドとは:日本であれば日経平均株価やTOPIX、米国ではS&P500などの決められた指数(ベンチマーク)と同じ値動きを目指して運用される投資信託のことです。