年末年始は新年の資産運用について考える好機

メリークリスマス!東京は年末の忘年会やクリスマスパーティで賑やかです。皆さまはどのような年末年始をお過ごしになりますか?

楽しいイベントも良いですが、この時期はまとまった時間が取れますから、新年の資産運用について考えるのにも最適な時期です。そこで年末年始のお休みを使って、やっておくべきことを7つにまとめてみました。

<やるべきこと1>現状の自分の資産の全体像を把握する

資産運用の改善はまず「現状認識」から始まります。自分の資産がどのような状況になっているかを把握することが、最初にやるべきこととなります。

取引している銀行や証券会社にある金融資産をチェックします。また、投資用不動産や借入のある場合はそれも含めて、自分の持っている資産の全体がわかるようにします。

この時の評価金額は購入した時の価格ではなく、今現在の時価で計算します。2019年末時点で、すべての資産を時価で知ることができれば良いでしょう。

<やるべきこと2>アセットアロケーションの問題を探す

資産の全体像がわかったら、次にやるべきことは、それらの資産をグループに分けて、アセットアロケーションをチェックすることです。アセットアロケーションとは、資産配分のこと。資産全体がバランスよく様々なリスクに分散されていれば、それだけリスクコントロールされていることになります。

まず、金融資産を株式、債券、REITといったグループに分け、更に円資産と外貨資産にも分類します。また、不動産のような実物資産を保有している人は、金融資産と実物資産に分類して、その比率をチェックしておくと良いでしょう。

比率を計算した結果、資産が円に偏っている、日本株式など特定の資産の比率が高すぎるという場合は、アセットアロケーションの観点からバランス調整をしていく必要があります。

日本の個人投資家は、一般に外貨資産の比率が低すぎるという問題があります。少なくとも資産全体に占める外貨の比率をチェックして、比率が低い場合は外貨資産の購入を進めましょう。

<やるべきこと3>運用成績の悪い商品を売却する

1年間のそれぞれの資産の運用成績を見ると、運用成績が芳しくない商品があると思います。この場合の運用成績は、絶対リターンではなく、その資産のインデックスと比較することがポイントです。日本株の個別銘柄を保有しているなら、1年間の騰落率をTOPIX(東証株価指数)と比較してみる。もし、TOPIXより運用成績が劣っているのであれば、TOPIXに連動するインデックスファンドを購入した方が良いのかもしれません。

自分の保有している銘柄が10%上がったとしても、その資産のインデックスが15%上昇しているなら、運用成績は芳しくないと考えるべきです。

単年度だけで比較するのは、必ずしも正しい判断にならないことがありますが、毎年このようなチェックをしていくことで、どんな投資商品を買ってはいけないかが、わかってくるのです。

<やるべきこと4>コストの高い投資商品を入れ替える

金融商品のリターンをあげる最も確実な方法は、コストを下げることです。例えば、投資信託を保有しているのであれば、信託報酬をチェックしてみる。投資信託の中でもインデックスファンドは、競争によって信託報酬が低下してきており、入れ替えをするとその分年間のリターンを改善できることが多いのです。

例えば、100万円の投資信託を保有していて、信託報酬が1%下げられれば、年間1万円。これが毎年継続することになりますから、信託報酬の差は馬鹿になりません。

ただし、資産の売却に関しては、税金についても考慮するようにしましょう。売却で利益が出ると課税されますから、損失の出るものと合わせて同じ時期に売却するなど工夫することです。


今回は年末年始で資産運用に関してやっておくべきことの7つのうちから4つを提案しました。次回は、残りの3つについて書いてみたいと思います。

 

さて、本コラムの掲載は今回が今年最後になります。2019年も間もなく幕を閉じ、いよいよ東京オリンピックが開催される2020年がやってきます。本コラムをお読みいただいたすべての方に素晴らしい未来がやってくることを心からお祈りしています。

良いお年をお迎えください。