前回の掲載まで108.5円水準は買い場になり得るとし、5月31日から126日目の基本数値11月22日同水準からの上昇となっています。しかし、ここにきてやはり相場の方向をなすかどうかがはっきりしないと言わざるを得ません。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

現在位置からの続伸では11月29日に下げ時間に対する上昇時間が経過し、12月2日には10月3日を起点とする上げ三波動構成の最大時間が経過してしまうからです。11月1日起点とした小さな上げ三波動構成変化日もまた11月27日に経過してしまいます。

要するに、9月18日に108.5円水準を達成した後、細かく波動を重ねすぎているだけに、変化日、計算値を細かく出さざるをえないということです。

直近高値11月7日は2018年10月高値起点、2019年4月高値起点の下げ三波動構成変化日でもあり、同時に週足先行スパン下限、月足基準線水準でもあります。

従って、ここではやはり11月7日高値の超え方が大事であり、上げ三波動構成の時間を充分余した状態で11月7日高値越となるようでなければ、戻り相場の本格化はないということになります。

逆に下げるケースでは、8月31日高値を一旦超えた以上、まずは8月26日を中心とする対等数値変化日が大事となります。11月7日を上抜くにせよ上抜けぬにせよ、11月29日、12月末は大事となります。11月7日を上抜かないとすれば小さな下げ三波動を勘案することとなり、この場合も下げ相場が明確化するとは思えません。

いずれにせよ長期変遷上の時間関係がより大事になるでしょうが、いずれにせよ目先変動は細かく変化日、計算値を出して対処せざるを得ないということになります。

長期変遷上の変化日と今年の変動のまとめは次回述べることとしまして、今回も基本数値足を整理しておきたいと思います。

【図表2】米ドル/円(3日足)
出所:筆者作成

図は11月22日までの3日足となりまして、3の遅行スパンは次のようになります。

【図表3】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

前5陽、5陰連に対する5陽連目の反応が大事となりまして、5陽以上続かねば108.5円水準でのモミアイ継続は明らかであります。変化日からの下落は要注意ということになるでしょう。

【図表4】米ドル/円(9週足)
出所:筆者作成

図は先週までの9週足となります。今週9週目ですから今週の騰落は大事となりますが、陰転はまずありません。

【図表5】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

週足均衡表では遅行スパンが今週好転してきました。26週足陽転でありまして、基本数値に即する37陰連後の陽転は評価できるものとなります。重視する108.5円水準割れなければ長期の陽連が期待できることとなり、チャート上では目先の上昇それ自体が上げを肯定するものとなっています。

問題は9ヶ月足・26ヶ月足であり、これらはよほど上昇幅を出しても陽転できません。

月足上の均衡表における受動的変化は来年になってからということもあり、この点からは方向性ははっきりしない可能性を裏付けるものとなっています。


※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。