【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27492.63  △30.52 (11/5)
NASDAQ: 8434.68  △1.48 (11/5)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。S&P500株価指数はわずかに反落となりましたが、米政権が9月に中国製品に課した制裁関税の取り下げを検討していると伝わったことや良好な経済指標を好感してダウ平均とナスダック総合株価指数は3日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。38ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして100ドル高近くまで買われたあと上げ幅を縮めると小幅にマイナスとなる場面もありましたが、8ドル安で下げ渋ると直ぐに持ち直しその後は取引終了まで小幅高で推移しました。結局ダウ平均は30ドル高の27,492ドルとなり史上最高値を更新して取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の8,434ポイントとなりこちらも史上最高値を更新しました。一方でS&P500株価指数は3ポイント安の3,074ポイントと3日ぶりに小幅反落となっています。

2.経済指標等

10月の米ISM非製造業景況感指数は54.7と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、9月の米貿易収支の赤字額は前月比4.7%減の524憶5000万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、素材などの6業種が上げました。一方で5業種が下げ、不動産と公益事業が1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が株式の非公開化を模索していると伝わったことで2%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。また、通期の売上高と1株利益の見通しが市場予想を上回ったことでソフト大手のアドビ(ADBE)が4%以上上げました。さらに代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が投資判断の引き上げを受けて2%余り上げています。

一方で配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)が決算を受けて目標株価の引き下げが相次いだことで急落し10%近く下げています。ハンバーガーチェーンのシェイクシャック(SHAK)も決算で既存店売上高の伸びが市場予想を下回ったことなどで急落し20%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い1.86%となりました。ドル円は円安が進み109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことや、ドル円が円安となっていることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)