去る2019年9月4日、マネックス証券主催・日経WOMAN協力のイベント「有名ブロガー達から学ぶ、株主優待の活用法」が、東京・JPタワーホールで開催されました。ゲストは、株主優待生活をテーマにしたブログを運営している人気ブロガーのお2人。「ほんわかようこりん」を運営するyoukorinさんと、「とことこトコタンの株主優待ブログ」を運営する、とことこトコタンさんです。

第一部 ブロガー座談会「オススメ!株主優待活用術」では、お2人の株主優待活用術を赤裸々に語っていただきました。

自分が納得できた銘柄を買っている

――株主優待を始めたきっかけは?

youkorin:『木村佳子のカレンダー投資法』という本を書店で見つけ、これまでの自分に唖然としたんです。2005年のことでした。その頃、3社ほど株を持っていて、毎年自宅にカタログギフトが届いていました。どの株も長期で保有していたので、てっきりそのお礼だと思っていたんですよ。経済評論家の木村佳子さんの本を読んだことで、そのカタログギフトが株主優待ということに初めて気がつきました。

とことこトコタン:株主優待生活をして今年でちょうど20年です。私が初めて株を買った頃は、優待を実施している会社は少なかったですし、株主優待という制度自体、知らない人が多かったですね。初めて買った株は、おつまみなどの食品メーカー「なとり」で、優待のことは全く知らずに購入。優待品が届いたときは「株をやっていると、こんな特典もあるんだ!」と驚きました。とてもうれしかったですね。これが株主優待生活を始めるきっかけです。


――優待銘柄は、どのように選んでいますか?

youkorin:木村佳子さんの本やマネー雑誌を読んで勉強します。知り合いの個人投資家のブロガーに、直接オススメ銘柄を聞くこともありますよ。会社四季報オンラインで業績予測もチェックし、自分が納得できたら買うようにしてます。

とことこトコタン:普段の生活の中で一番関わってくるのが“食”なので、私は食を優先的に選んでいます。食事券を使える店が、自宅から近い距離にあるかどうかも調べて選びます。「優待利回り+配当利回りが4%あれば買い」と言われますが、私は3%あればいいかなと。自分で納得ができれば、利回り関係なしに買うときも。それと、家族に反対されないように気を遣うことも大切です(笑)。自分だけではなく、家族も届いてうれしい品を選ぶよう心がけています。有効期限がないQUOカードの株主優待は家族にも好評です。

――優待品の一部を紹介してください

youkorin:お気に入りはタカラトミーの限定リカちゃんです。2,000株以上の株主しかもらえないので、そのために株を買い増ししました(笑)。写真は2018年のもの。パンダの着ぐるみリカちゃんです。2016年は、トミーとタカラの合併10周年記念特別仕様の振袖リカちゃんをもらいました。
コモのロングライフパンも大好き。パネトーネ種を使っていて、おいしい上に賞味期間が長いのがうれしいです。
とことこトコタン:この中で皆さんにオススメしたいのは、穴吹興産。香川県の不動産会社で、株主優待はうどんです。お揚げもジューシーでとにかくおいしい。お揚げはうどん以外のほかの料理にも使えるので重宝しています。

――株主優待の活用術、成功談を教えてください

youkorin:今日つけてきたネックレスはAs-meエステール(エステールホールディングス)の株主優待ですよ。夫はなかなかプレゼントしてくれないけれど、優待は私にプレゼントしてくれます(笑)。バッグはパルコの株主優待券を使って無印良品で買いました。

とことこトコタン:今、株主優待をQUOカードとしてもらえる企業が増えています。ファミリーレストランや書店、ガソリンスタンドなど多くの店で使えるのがいいですね。東京ディズニーランドのオフィシャルホテルで、QUOカードを使って支払えるホテルもあります。QUOカードは有効期限がないですし、家にたくさんあってもかさばらない。家族にも好評です。

株主優待の失敗談

youkorin:株式投資を始めてから、東京に駐車場と庭付きの家を建てるという夢を持つようになりました。それまで投資を15年くらい続けていたので、頑張ったという証が欲しかったんです。23区以外で、首都圏まで電車で30〜40分くらいで行ける距離をターゲットにしました。

――株主優待の失敗談は?

youkorin:家には外食で使える優待券がたくさんあるので、家族で外食するときはまず使用可能な優待券を探すところからはじまります。でも数がありすぎて、どこの会社の優待券を使ったのか未使用なのかが覚えられず、結局使わずに期限切れになってしまったものも多くあります。ワタミの食事券1万2000円分とか…。もったいないですね。

期限切れとなってしまった株主優待
 

とことこトコタン:当時、健康コーポレーション(現在はRIZAPグループ)の株を持っていて、利益が出たのでそのお金でジムに通いました。2ヶ月で15キロ痩せましたね。もちろん食事制限もあったので、株主優待で送られてきた食品にも手を出せず。2ヶ月のうちに多くの食品の賞味期限がギリギリに…。それではもったいないと、痩せたあとに暴飲暴食をしてしまったんです。その結果、2年でリバウンドし、その後もっと体重が増えてしまいました(笑)。資産がリバウンドしてくれるのは嬉しいのですが…。何事もほどほどが一番ですね。

株主優待で自分も楽しみながら人間関係を円滑にするツールに

――これからの投資方針について

youkorin:2005年暮れから本格的に株式投資をスタートさせたのですが、2008年のリーマンショックのときに資産が半分になってしまったことがあります。思い切ってほとんど損切りし、それをトヨタ株に乗り換えたら翌日トヨタがストップ高。大きな利益を得ることができました。愛知県出身ということもあり、以前から地元企業であるトヨタの株をウオッチングしていて羨ましく思っていました。ですのででリーマンショックの下落時に思い切って買って、その後も下がっては買い、上がっては売りのトレードを繰り返し資金が3倍になった頃、増税の話(2012年)があり、また、ダンナが「肉が食べられる優待株が欲しい」と言ったのも大きく、日常生活に使用できる株主優待等は今後も継続していきたいと思います。

とことこトコタン:魅力的な株主優待を出している会社は、少々業績が悪くても極端に株価は下がらないと考えています。下がって安くなれば買い時ですし。ですので、これからも優待株投資を続けて行きます。今注目しているのは、「プレミアム優待倶楽部」です。保有株式数によってポイントが付き、さまざまな商品の中から好きなものを選べます。私は今年、タカショーのプレミアム優待倶楽部のポイントで、羽根のない扇風機をもらいましたよ。今後、プレミアム優待倶楽部を導入する会社がもっと増えると思います。
誰かに食事をご馳走するとき、現金だと相手も気が引けますよね。私は優待の金券やお食事券を使って相手にご馳走するようにしています。これからも株主優待生活で自分も楽しみながら、人間関係を円滑にするツールとしても使っていきたいです。


第二部では、「株式投資のキホン」(講師:マネックス証券株式会社 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー益嶋裕)をお届けします。

 

ライター 吉田 明乎
茨城県生まれ。出版社勤務を経て、2004年よりフリーランス。働く女性のライフスタイルを軸に、幅広く執筆。