【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27219.85  ▼115.78 (7/17)
NASDAQ: 8185.21  ▼37.59 (7/17)

1.概況

米国市場は前日に続いて米中貿易摩擦への懸念が重石となり続落となりました。14ドル安でスタートしたダウ平均は90ドル安程度まで売られた後一旦下げ渋りましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局115ドル安の27,219ドルで取引を終えほぼ安値引けとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も37ポイント安の8,185ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米住宅着工件数は年率換算で前月比0.9%減の125万3000戸となり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動がほぼ全ての地区で緩やかなペースでの拡大が続いたとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、資本財・サービスが2%以上下落したほか、エネルギーも1%を超える下げとなりました。一方で公益事業とヘルスケアが上げています。

4.個別銘柄動向

鉄道大手のCSX(CSX)が決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったうえ、通期の業績見通しを引き下げたことで急落し10%安となりました。ジーンズ大手のリーバイ・ストラウス(LEVI)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4%以上下げ上場来安値を付けています。また、取引終了後に決算を発表したネットフリックス(NFLX)は北米での契約者が減少に転じたことが嫌気され時間外で急落しています。

一方でオランダの半導体製造装置メーカーのASML(ASML)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで買われ6%以上上げています。医療機器のアボット・ラボラトリーズ(ABT)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで3%余り上昇しました。さらに取引終了後に決算を発表した電子商取引大手のイーベイ(EBAY)が売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い2.04%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)