契約社員として働きながら株式投資をしている40代の山崎裕子さん(仮名)は、3年前に病気で亡くなられたご主人の勧めで投資に目覚め、相続分を含めて資産は1億円にあと一歩のところです。女性ならではの視点による銘柄選びや株式投資の目的などについてお話を伺いました。
(聞き手:金野和子氏)

夫の勧めで始めた投資が株主総会に出席するまでに

共働きだった山崎さんが投資を始めたのは、1998年頃。外資系企業で働く16歳年上のご主人から、「投資信託を毎月買えるようにしておいたら」と言われて毎月積み立てるように手続きしたのがきっかけだそうです。

「投資信託や株式を主人が取引していたのを間近に見ていたので、世間一般で言われているような“投資が怖い”という思いは一切なく、何の疑問もなく投信を買いました。今でも持っていますが、当時よりは3倍ぐらいになっています」と山崎さん。

そして2000年、「自分で株主優待をもらってみたい」という思いからマネックス証券に口座を開設しました。「いくつかのネット証券のサイトを見比べましたが、マネックス証券のサイトが一番感覚的にわかりやすかった。今、取引はほとんどスマホで行っていますね」

最初に買った銘柄はスターバックス。「確か1株から買えて、10万円以下で、株主優待がある銘柄から探しました。スターバックスの当時の株価は3万6000円。これなら自分のお金で買えるし、失敗してもいいかなと思える金額でしたね。あと、ファンケルも買いました。自分が使っているのでわかりやすかったです」

スターバックスは、その後14万8000円で売却しました。ファンケルは現在も保有中で、株価は当時の倍ぐらいになっているそうです。ご主人に勧められファンケルの株主総会にも出席しました。「総会当日は化粧品が安く買えたりとトクすることがあるので、株主総会に出席することをお勧めします」

中小型株や新規公開株(IPO)に投資

投資初心者の時には失敗することもあったそうです。

「投資信託を買っていた頃、自分でよくわからず銀行員の人に勧められるまま買ってしまい、リーマンショックで下落して損したことがあります。理解して購入したとしてもリーマンショックで損したかもしれませんが、やはりその投資商品についてわからないまま買うのはよくないことだと思いました」

基本的に、中小型株や新規公開株(IPO)で生活に密着している銘柄に投資しており、株で大きく損したことはないそうです。

「IPOでは、マネックスさんで応募してマネーフォワードを購入。後でわかったことですが、私は大型な銘柄より、これから成長しそうな銘柄が好きみたいです」

日々、投資の勉強をする

現在、預金、投資信託、株を含めた総資産がもうじき1億円という山崎さん。ご主人が亡くなり、自力で相続手続きするため独学で知識を習得したり、また「お金の教養」を身につけるために、マネースクールでも勉強しました。

投資情報は、テレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)やNewsモーニングサテライト、日経ヴェリタスなど様々なニュースから得ています。

「私は株を売る時、買う時の目標株価を決めています。1割ぐらいまでは下がっても我慢できます。基本的に指値を設定しているので、毎日株価をチェックするわけではなく、割と大まかです。最近、英語の勉強も始め、海外企業のニュースも少しずつ理解できるようになったことで外国株にも興味がわいています」

株式の利益で若い頃の夢を実現したい

株式を始めたときは株主優待目当てで、お小遣いが増えたらラッキーという程度だった山崎さんでしたが、今は、株式投資の利益で、若い頃に目指していた洋裁とウォーキング教室を開きたいと思っています。

素材にこだわりのある山崎さん自作の開運財布。ご利益ありそうです

これから投資を始めたいと思っている人にアドバイスを提示してくれました。

1.やめないこと

経済や株式の用語は難しく、わからないこともたくさんありますが、投資の勉強を続けることが大切です。

2.スマホアプリでの資産管理

自分の資産状況を把握することからスタートです。最近は、スマホアプリで管理できるものがたくさん登場しているので気軽にできます。

3.投資は現役のうちにスタート

投資の強い味方は「時間」です。早ければ早いほど効果が出ますし、たとえ損が出たとしても、他に収入のある現役時代であればリカバリーもそう難しいことではありません。少しずつでもチャレンジしてみてはどうでしょうか。

4.口座を開設する

口座開設申込みが無料ででき、ログイン後の画面で様々な投資情報が得られるようになるので、まずはネット証券の口座を持つことをおすすめします。

 

さて、今回のインタビューをご覧になってどのように感じましたか?

好奇心旺盛で行動的な山崎さんですが、もの凄く勉強して自分を追い込んでいらっしゃる様子はありませんでした。肩肘張らずに、時間の許す範囲で興味があること、分からないことを調べるといった印象で、とても活き活きと楽しそうに話していただきました。

自分の興味あることを先ずはやってみる。そして、継続していく。それが人生100年時代を楽しく過ごす秘訣かもしれません。