週末のメディアはトランプ大統領の来日で沸きました。
貿易交渉を前に話題を集めたのは彼の行動力です。G20首脳中唯一の70歳代にも関わらず、夕方日本に到着した翌朝から、日中30度を超える猛暑の中でゴルフ、その後相撲観戦で重さ30キロの優勝記念杯を授与するというエネルギッシュな活動ぶり - これを追いかけるメディアの人々の体力が心配になるくらいでした。
もちろん、日本人も寿命の長さでは引けを取りません。平均寿命は、84歳と世界一を誇る上、1年に3ヶ月ずつ着々と伸びています。さらに近年の新薬開発合戦で、伸びが加速するかもしれません。
これに伴い、今後は「お金の寿命」も伸びて欲しいところです。しかし近年こちらはむしろ短くなっている可能性があります。
低金利が理由の一つですが、加えて、長期安定運用に欠かせない分散効果も得にくくなっています。これは、中央銀行の多額の資産購入で市場が自律的に動きにくくなっていることに加え、米中問題など様々な政治イベントで動きが複雑化していることが背景にあります。
こうなると、分散効果でお金を守るためには、従来型の株式と債券だけでなく、より広範な金融資産に目を向ける必要があります。市場は未成熟ですが、ソーシャル・レンディングや仮想通貨などもその対象になるかもしれません。実際、最近の機関投資家向け調査でも、57%が将来的に仮想通貨投資を検討したいと回答しており、その理由として他の資産との相関の低さを挙げています(Fidelity調べ)。
人間ほど、出産期を過ぎてからの命が長い哺乳類は地球上に存在しません。せっかく与えられた長い自由時間です。お金にも'長生き'してもらって、トランプ氏並みとは行かずとも、長寿をアクティブに楽しみたいものです。