中国では10月1~7日は「十月ゴールデンウィーク」と呼ばれる大型連休です。この連休の間、中国の消費市場は依然として活況でした。中国商務部によると、10月1日~7日の連休中の、中国の小売総額は前年同期比18.7%増の5925億元で、伸び率は同0.7ポイント上昇。1日当りの消費額は18.8%増の846億元となっています。地域別をみると、武漢、長沙、重慶、四川などの中西部の主要都市の小売総額は同20%以上拡大し、上海、広州は2~3割伸びています。北京の小売総額は31%増加し、ここ5年間の最大伸び率になっています。製品のセグメント別を見ると、家電製品と金・ジュエリーの販売が最も大きく伸びました。連休中、電器量販大手の蘇寧電器(中国本土A株上場)の北京の店舗の売上は2倍に拡大。国美電器(0493)の販売は145%拡大。北京で最も有名な貴金属販売店である菜市口百貨公司の売上は同40%拡大し、顧客数は50%増加。

連休中の旅行市場も好調に推移。国家旅行局によると、連休中の国内旅客は前年比27.1%増の2.54億人で、旅行収入は同32.4%増の1166億元となっています。旅客の増加で、鉄道による旅客輸送量は同16.6%増の6357.5万人に。1日当たりの旅客輸送量は800万人を超え、例年同期の最高記録を更新しています。そして、連休中の飛行機の便数は5.3%増の39112便となりますが、乗客数は同24%増の575万人となっているため、乗客率が大幅に上昇しています。また、連休中のクレジットカードの取引額の拡大から消費市場の好調さも伺えます。10月1~7日、中国国内では、銀聯カード(中国の銀行が発行したクレジットカード)の消費額は前年比58.3%増の1808.7億元となっています。同カードの海外での売上は同65%拡大。ちなみに、経済発展の遅れる中西部地域と農村地域でのクレジットカードによる消費拡大が目立つようです。一方、連休中、唯一の不況な市場は不動産市場です。連休の直前に中国政府は不動産価格抑制策を強化する追加策を発表しました。そして、不動産税などの発表懸念もあります。そのため、主要都市では、連休中の不動産取引は連休の前より大幅に縮小しています。

このように中国の消費市場は非常に力強い勢いで拡大しています。ちなみに、世界最大の投資銀行である米ゴールドマン・サックスが2010年に発表したレポート によると、中国の高成長が継続し、人民元が年間3%上昇すると仮定すると、中国の1人当たりGDPは、2010年には4220ドル、2020年には1万4000ドルに達すると予測しています。この予想がもしも正しければ、中国の消費市場は今後10年でさらに爆発的に膨らむことになります。

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