今週は営業日ベースで4月の最終週であると同時に平成最後の週となりました。
また、今週末から大型連休入りとなり、次に国内の取引が始まるのは5月7日になります。その間、株価がどちらに動くのか気になる投資家の方が多いと思いますが、前回指摘したポイントをもう一度確認したいと思います。
前回は「200日移動平均線を基準に考えますと、上下どちらに位置している窓を埋めやすいかの判断材料になります」としましたが、4月23日現在までの値動きをチャートで確認してみますと…。
チャートを見ますと、200日移動平均線を上回ったまま推移していますが、株価はほぼ横ばい状態となっており、水準がなかなか切り上がらない状況になっているのが分かります。ではなぜ、株価水準が切り上がらないのでしょうか。
その理由を示しているのがフィボナッチリトレースメントです。フィボナッチリトレースメントは取引時間中の高値と安値の値幅をカウントし、どの水準まで戻しているかや、どの水準まで価格が戻したり下落したりするのかなどを予測するのに用いるものです。先週の押し返された4月17日の株価を確認してみますと…。
この日の高値(22,345円)が、昨年10月2日の高値から同年12月26日の安値までの値幅の61.8%戻しの水準(22,347円)と2円違いで届かずに押し返されていたのが分かりました。
このように、200日移動平均線上を維持しているものの、さらにその上の水準である61.8%戻しのところを突破できなかったことから、水準を切り上げることができないと考えられるのではないでしょうか。
そのため、この水準を終値で上回って推移するかが今後の注目ポイントになります。仮に上回るようですと、昨年10月に高値をつけたあとに発生した10月10日と11日のあいだにあいた窓に接近すると考えられます。その反面、5日移動平均線を下回ると同時に反落が始まり、200日移動平均線上を維持できずに割り込んだりするようですと、25日移動平均線を下回ることが考えられ、トレンド転換に対する警戒が必要になるのではないかと思われます。
また、大型連休に入る前と明けの各時点で、フィボナッチリトレースメントの61.8%戻しの水準や200日移動平均線上を維持しているかに注意すると、冒頭指摘しましたように、200日移動平均線を挟んで上下どちらの窓を埋めるのかの判断に役立つと思われます。国内株式市場が大型連休で取引できない場面でも、CFDの日経225や海外市場の225先物の値動きに注目し、売買タイミングを逃さないようにしたいところです。