会社の福利厚生制度を使い倒せ

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。先日電車の中で重そうな荷物を抱え爆睡している新入社員さん(のようにお見受けしました)がいました。毎日覚えることがいっぱいで大変だと思いますが、会社員にとって会社ってものすごい宝の山なんですよ。ぜひ貪欲に会社の制度を知って欲しいと思います。

例えば、社員食堂ってお値段が手ごろですが、これは会社が一部食費を出してくれているからです。会社の福利厚生制度で、保養所が利用できたり、旅行に安くいけたりするところもあります。

給与明細を見ると雇用保険料が引かれています。雇用保険は失業した時の保険だけでなく、在職中でもキャリアアップの勉強をすると補助金がでる「教育訓練給付金」なんて制度もありますから、これも会社員の特権、「使い倒したい」制度です。

給与天引きは資産形成のテッパン

会社に財形貯蓄制度があれば、これもぜひ活用したいものです。財形貯蓄というのは、会社がとりまとめをしてくれる貯蓄制度です。加入は任意で、自分で決めた金額が毎月給与天引きされ会社がそのお金を金融機関に送金してくれます。いったん始めると、会社を通さないとお金を下ろせないので、下ろすのが面倒で結果お金が貯まりやすいのです。

お金を貯めるって、自分との闘いです。なにかを我慢して将来の自分へ仕送りをするようなものです。お金があったらあっただけ使いたいのが人間ですから、自分の意志とは関係なく「自動でお金が貯まる仕組み」を作るのが、資産形成のテッパン。会社員ならそれが給与天引きでお金が貯まる財形貯蓄なのです。

財形には、「一般」「住宅」「年金」と3種類あって、住宅と年金はお金を引き出す用途が決まっていますから、若いみなさんがまず始めるべき財形は「一般財形」です。こちらは、貯めたお金を結婚資金に充てても、引っ越し費用に充てても、なんでもOK。使い勝手が良いので、おススメです。

「一般財形」の積立期間は原則3年以上、定期的に積み立てることになります。貯蓄開始から1年以上経てば、いつでも払い出しが自由にできます。

そして、みなさんの将来に重要な役割を果たすのが「確定拠出年金」制度です。これは退職金の進化系で、多くの会社で導入されている企業年金です。会社によっては「DC」と呼ばれることもあるかも知れません。これは資産形成においてもとっても重要なことなのですが、ちょっとヘビーなので、次回に詳しく紹介します。