前回のコラム「米ドル/円、2016年安値からの一巡環(676日)経過に注目」では、2016年安値から一巡環(676日)経過の1月30日の変化の仕方が大事であるとし、変化なくずれ込むようなら日足基準線の受動的変化が起こる2月7日、8日の反応を重視すると述べました。

実際の変動は1月31日108.498円まで下げた後、2月4日110.161円と1月23日高値を僅かながら更新する結果となっています。

1月23日V値は111.494円となりますが、これは2018年12月26日高値水準でありまして変化日2月7日まで急騰あっても先行スパンに上値を抑えられる可能性が出てきます。
反動の規模によっては超える可能性のある各均衡表も超えきれずという状態を作りかねず、先週変動で方向性が明確になったと捉えることはできません。

今週は特に2月7日、8日の変化の仕方に注目しつつ見極めが必要な位置との認識ですが、今回は2月の変化日確認と、各均衡表の整理をしておきます。

2月変化日は2月7日、11日、18日、22日などがあります。

2月7日は1月3日安値から26日目、基本数値であると同時に2018年11月28日からの下落日数でもあります。11月12日から38日間の下落、10月高値から65日間の下落もまた今後影響力を及ぼす可能性がありまして、2月7日以降の下落では1月3日から38日目2月25日などは大事になってくるでしょう。

2月11日は2016年6月安値から684日目、2013年11月7日から2016年6月安値までの日数684日に見合う変化日、2月18日は2016年6月安値から689日目、これは2012年10月安値から2015年6月高値までの上昇日数689日に見合う変化日となります。

これら変化日が直近変動とどのよう合ってくるか(波動論的に)が大事でありますが今のところの変動は1月3日を除いて限られたものになっておりなんとも言えない状況が続いているのであります。

各均衡表を見てみましょう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

図は日足均衡表となります。

現在位置は遅行スパンが好転できるかどうか、先行スパンを超えきれるかどうかが試される局面と言えますが、2月7日に反動がなく推移ならばいずれも超えることがわかります。

基準線は2月7日先行スパン下限水準まで上げてきますから、下げるケースでは基準線を割らずに済むかどうかが大事となります。基準線割れでは遅行スパンは一旦好転できても好転状態は続かない可能性が高いこともあらかじめわかります。

【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

図は週足均衡表となります。

先行スパン上限を超えれば相場実線の上値を阻む均衡表はないものの、遅行スパンは今後の上昇があっても簡単に好転することはできません。

基準線は相当期間動かぬことがわかりますが、転換線は受動的に下げ続けることがわかるでしょう。

現在位置から上げられず基準線を割るようなケースでは転換線までの下落は視野に入れなければならなくなります。

また週足転換線は2月末まで下げ続け、その翌週には極端に上昇します。(今週末の日足基準線のように)相場の位置によっては、必ずこの局面は大事になるのでご記憶ください。

【図表3】米ドル/円(月足)
出所:筆者作成

図は月足均衡表となります。

転換線は当面変化がないものの基準線は今月111.584円、(これは先に述べた1月23日V計算値水準でもあります。)3月に入れば110.553円まで受動的に下げてきます。

また遅行スパンは週足以上に好転は難しく、下げるケースでは転換線108.576円割れは下げ幅が出てしまう可能性が高いと言える相場位置であります。

以上各均衡表ともに上下極めて限定的に値段が出ています。

これらを逸脱しない限り方向性は明確になりにくい(基本波動が定まらない)わけでありますが、それ故に細かく対処できることも今後出てくることになります。

いずれにしても1月3日の変動があったがために現在位置ではなかなか仕掛けができませんが、2月7日以降の変動で細かくコメントできることも出てくるかと思います。