みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になりますが、東京市場は冴えない値動きが続いています。それでは早速日経平均株価の日足チャートで確認したいと思います。

【図表1】 日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※埋まった窓は青色で表示、埋まっていない窓は赤色で表示

 

前回は「仮に下向きの5日移動平均線を上回ることができないようですと、3月に発生した窓を埋める可能性が高くなる反面、5日移動平均線を上回るようですと、短期的な戻りのトレンドが発生して新たに発生した窓を埋める可能性が出てきます」としましたが、上記のチャートを見ると分かるように、前回発生した2つの窓のうち、5日移動平均線を上回ったことから12月7日と10日のあいだにあけた窓を埋める結果となっているのが分かります。

ただそのあとは下向きの25日移動平均線に押し返されてしまい同月4日と5日のあいだにあいた窓は埋めることができずに反落する結果となった反面、同月12日と13日のあいだに発生した小さな窓は埋まっています。こうした結果から、小さな窓が発生すると短時間でその窓を埋めているのが分かります。

このように短時間で窓を埋めてしまう理由をみなさんはどのように考えますか?私は、12月に入ってから発生した窓がすべてコモンギャップ(普通の窓)だからだと考えています。

なぜなら、12月3日以降に発生した4つの窓は10月26日の取引時間中の安値と12月3日の高値の狭いレンジ内(過去の値幅の範囲内)で発生していると同時に、12月に入ってから2週間ほどで4つもの窓が発生することは、日経平均株価のように流動性が高い指数では非常に珍しいと言え、方向性を示すものではないと考えられるからです。

仮にこの考え方が正しければ、(繰り返しになりますが)これらの窓は方向性を示す窓ではないことになるため、下落が加速するのではなく、これまで通り新たに発生した17日と18日のあいだにあけた窓や4日と5日にあけた窓を埋める値動きが続くことも頭に入れおく必要があることになるのです。

一方でこれまで通り5日移動平均線が短期的なトレンドを決めることに変わりはないと思われますので、5日移動平均線の方向と株価の位置関係をチェックしつつ窓を埋めるのか、あるいはトレンドが発生したり加速したりするのかの判断材料にし、売買タイミングを計るのに役立てるようにしたいところです。