みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になります。
今週から名実ともに10月相場が始まり、幸先の良いスタートとなっていますが、株価推移から確認してみたいと思います。
前回は配当落ち日の直前でしたので、配当分が落ちるとその分下方向に窓が開くのではないかという話をしましたが、結果は…。
配当落ち日当日は予想通り下落して始まったものの予想配当落ち分(160円前後)ほどは下がらず、上向きの5日移動平均線上で下げ止まると、その後に反転して大陽線を形成して終える結果となっているのが分かります。
株式市場のアノマリー(明確な理論や根拠があるわけではないが当たっているかもしれないとされる相場の経験則や事象)では、配当落ち分を即日埋めると、その後の株価は強い、または堅調に推移することが多いとされますが、実際の株価を見ると配当落ちの翌営業日に反落する場面がありましたが、その後は再び上昇を続けて年初来高値を更新したほか、何と1991年11月以来27年ぶりの株価水準をつけているのが分かります。
ただこのあいだに窓は発生しておらず、直近では窓を埋める動きは考えづらいことになりますが、仮に窓を埋める動きが発生するとなると、下方向の窓(9月18日と19日のあいだにあけた窓)を埋める可能性が出てくるかもしれません。
一般的には高値を超えてきているので、上昇が続くのではないかといった見方が大半だと思います。またもちろん、上昇トレンドが継続するあいだは高値更新が続くことが考えられる反面、窓を埋めるというアノマリーから考えますと、一旦下落することも視野に入れておく必要がありそうです。
では、どのような状況になると下方向の窓を埋める動きが始まるのでしょうか。実はこの窓を埋める動きの始まりが株価の先行きを考える上で重要な判断材料になります。
そこで思い浮かべなければならないのがトレンドの転換です。トレンド転換のサインはいろいろありますが、最もシンプルなものが移動平均線を下回ることと移動平均線が下向きに変化することが同時起こることになります。
10月2日現在では5日移動平均線が上向きで日経平均株価も5日移動平均線の上を維持していますが、5日移動平均線を下回ったり、5日移動平均線が下向きに変化したりした場合は下方向の窓を埋める可能性が高まると考える必要があるのです。
さて、10月相場はそうした波乱の展開が待っているのでしょうか。引き続き注目していきたいと思います。