表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。
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PORTFOLIO OVERVIEW(5 Sep 2017)
今週のFX-1ポートフォリオは、これまでずっと継続していたドルのネット・ロングのポジションがネット・ショートに転換した。おもな理由は経済成長の鈍化。米国はこれまで他の国に対して相対的に良かったが、ここにきて状況が変わった。絶対的な水準としては、米国の経済成長は依然良好であるが、相対的にという点ではもはやそうではない。この点はFX-1の成長コンポーネントでは重視される。米国は長きにわたってトレンドを上回る経済成長が続いてきたが、その結果としてこれ以上改善を継続するのが難しいところまで達してしまったと思われる。
今週、2つのポジション変更がある。まず、英ポンドがショートからロングに変わる。英ポンドはかなり前からバリュエーション的にもっとも魅力的な通貨であった。そこに景気サイクルの面で成長加速が先週見られた。われわれの分類システムによれば、英国は「減速」ステージから再び「拡大」ステージに移行した。これがより強気なポジションをとる理由である。次にカナダドルもショートから小幅ロングに変更する。カナダの経済指標が若干ながら強含んだからである。
他のロング通貨は変わらず、ユーロと北欧、そして円である。但し、円のロングの一部はユーロに移した。円は北朝鮮の脅威の高まりを受けた「リスクオフ」から急伸する場面があったが、このリスクは低下すると想定されることから、やがて円は(リスクオフで得た)輝きを失うだろう。ユーロ圏は経済データが良好で、過去6週間でインフレのデータも改善した。
ショート・サイドには、豪ドル、ニュージーランド・ドル、そしてスイスフランしか残っていない(ドルがネット・ショートなので当然である)。ニュージーランド経済は少なくとも一時的には「減速」の状態にあり、加えて最近の通貨高がその相対的な弱さを拡大させるだろう。豪ドルはショート幅を少し削った。オーストラリア準備銀行の最新のステートメントに沿った見方をしたものである。確かにオーストラリアは改善している。しかし、オーストラリア準備銀行が政策変更をおこなう強いシグナルを発する段階には達していないと思われる。
DeepMacro
DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明
概要
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。
キーファクター:
成長要因:
強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。
キャリー:
高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。
バリュエーション:
割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。
グローバル・リスク:
投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。
ポジション調整:
モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。
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