NYダウ: 24271.41  △55.36 (6/29)
NASDAQ: 7510.30  △6.62 (6/29)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場はナイキ(NKE)の急伸や原油価格の上昇を受けて小幅に続伸となりました。107ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして293ドル高まで買われるとその後も高値圏で堅調に推移しましたが、引けにかけて利益確定の売りが出て上げ幅を大きく縮め結局55ドル高の24,271ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も6ポイント高の7,510ポイントとなっています。

2.経済指標等
6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は98.2と速報値から1.1ポイント低下し市場予想も下回りました。5月の米個人消費支出(PCE)も前月比0.2%増に止まり市場予想を下回っています。一方で変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比2.0%上昇し市場予想を上回りました。5月の米個人所得は前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。また、6月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)も64.1となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、資本財・サービスなどの8業種が上げました。一方で電気通信サービスと生活必需品、金融の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ナイキが急伸し11%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を54ドル余り押し上げました。決算が市場予想を上回ったうえ、新規の自社株買い枠の設定を発表したことも好感されました。また、原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)も1%近く上げたほか、シェブロン(CVX)も堅調でした。さらにストレステストを通過したのを受けて増配と自社株買いを発表したウェルズ・ファーゴ(WFC)が3%以上上げています。バイオ医薬のバーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)もカナダ保健省から難病治療薬の承認を受けたと発表して急伸し15%以上上げています。一方で酒類販売のコンステレーション・ブランズ(STZ)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで6%近く下げています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.03%高い2.86%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅な上昇に止まり新たな買い材料に乏しいことから売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で、大企業製造業の業況判断指数(DI)が5年6カ月ぶりに2四半期連続で悪化するとみられていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)