NYダウ: 23533.20  ▼424.69 (3/23)
NASDAQ: 6992.67  ▼174.01 (3/23)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は中国との貿易摩擦への懸念が引き続き意識され大幅続落となりました。前日に大きく下げた反動から上昇して始まったダウ平均は昼前にマイナスに転じ120ドル安程度まで下落しましたが、午後に持ち直すと一時は150ドル高まで上昇しました。しかし、取引終盤に再びマイナスに転じると大きく下げ幅を広げる展開となり結局424ドル安の23,533ドルと3日続落となり安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も174ポイント安の6,992ポイントと3日続落となり節目の7,000ポイントを割り込んでいます。

2.経済指標等
2月の米耐久財受注額は前月比3.1%増となり市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除くコア資本財の受注も前月比1.8%増となり市場予想を上回りました。一方で2月の新築住宅販売件数は年率換算で前月比0.6%減の61万8000戸となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融が3%近く下げたほか、情報技術とヘルスケアも2%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はでボーイング(BA)と決算が市場予想を上回ったナイキ(NKE)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもダウ・デュポン(DWDP)が4%近く下げたほか、スリーエム(MMM)とファイザー(PFE)も3%を上回る下げとなっています。また、マイクロソフト(MSFT)とゴールドマン・サックス(GS)、インテル(INTC)も3%近く下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が8%近く下げました。市場予想を上回る決算を発表したものの材料出尽くしで売られました。一方でトランプ米大統領が1兆3000億ドルの包括的歳出法案に署名したことを受けて防衛関連分野への歳出拡大期待から防衛関連株が買われました。ロッキード・マーチン(LMT)やレイセオン(RTN)、ノースロップ・グラマン(NOC)がそれぞれ2%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い2.81%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の20,500円を割り込みそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)