NYダウ: 26186.71  △37.32 (2/1)
NASDAQ: 7385.86  ▼25.62 (2/1)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は長期金利の上昇が重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。66ドル安でスタートしたダウ平均はしばらくしてプラスに転じると昼過ぎに157ドル高まで買われましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると再びマイナスに転じました。しかし、下げ渋ったことで引けにかけて持ち直すと結局37ドル高の26,186ドルと続伸となっています。一方でS&P500株価指数が1ポイント安の2,821ポイントと反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も25ポイント安の7,385ポイントと反落しています。

2.経済指標等
1月の米ISM製造業景況感指数は59.1と前月から低下したものの市場予想を上回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1000件減の23万件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。12月の米建設支出も年率換算で前月比0.7%増となり市場予想も上回っています。1月の米新車販売台数 も年率換算で1712万台となり市場予想を上回りました。一方で10-12月期の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げました。そのなかでも不動産が2%近く下落したうえ、公益事業と素材、一般消費財・サービスも1%を上回る下落となっています。一方で4業種が上げ、電気通信サービスが2%を超える上昇となったほか、エネルギーと金融も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向
売上高と1株利益が市場予想を上回ったフェイスブック(FB)が目標株価の相次ぐ引き上げもあって3%を上回る上昇となり上場来高値を更新しました。また、好決算を発表した電子商取引のイーベイ(EBAY)は14%近く上げ急伸しています。決算が市場予想を上回ったメディア大手のタイム・ワーナー(TWX)やマスターカード(MA)も2%前後の上昇となっています。一方で物流大手のUPS(UPS)は決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったものの、材料出尽くしから売りが優勢となり6%を超える下落となりました。決算で1株利益が市場予想を下回ったアリババ集団(BABA)も6%近く下げています。さらに今期の会社予想が市場予想を下回った半導体大手のクアルコム(QCOM)も2%余り下げています。取引終了後に売上高が過去最高となる決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は時間外で大幅高となっています。同じく取引終了後に決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)は最終損益が赤字となったことから時間外で大きく下げています。

5.為替・金利等
長期金利は早期の利上げが引き続き意識されるなか0.09%高い2.79%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなるなど買い材料に乏しいことから下落してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで昨日に大幅高となった日経平均が下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)