NYダウ: 26076.89  ▼362.59 (1/30)
NASDAQ: 7402.48  ▼64.02 (1/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は長期金利の上昇が続いたことが嫌気されたほか、ヘルスケア関連銘柄の下落も重石となり大幅続落となりました。241ドル安と大きく下げて始まったダウ平均は下げ幅を広げると昼過ぎに411ドル安まで売られました。その後100ドル以上下げ幅を縮める場面もみられたダウ平均ですが上値は重く引けにかけて再び下げ幅を広げると結局362ドル安の26,076ドルと大きく下げて取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も64ポイント安の7,402ポイントとなっています。

2.経済指標等
11月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.4%上昇し市場予想と一致しています。また、1月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は125.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもヘルスケアとエネルギーが2%を超える下落となったほか、金融と情報技術も1%以上の下げとなっています。

4.個別銘柄動向
アマゾン・ドット・コム(AMZN)と投資会社のバークシャー・ハザウェイ(BRK.B)、JPモルガン・チェース(JPM)が従業員向けのヘルスケアサービスを手掛ける新会社を共同で立ち上げると発表したことで競争激化の懸念が出てヘルスケア関連銘柄が売られました。医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%を上回る下げとなったほか、ヒューマナ(HUM)とエトナ(AET)も3%余り下げています。さらにドラッグストアのCVSヘルス(CVS)が4%余り下げ、薬剤給付管理のエクスプレス・スクリプツ・ホールディングス(ESRX)も3%を上回る下落となっています。また、マクドナルド(MCD)が3%近く下げています。決算で売上高や1株利益は市場予想を上回ったものの、材料出尽くしで利益確定の売りに押されました。コーニング(GLW)も決算で売上高と利益が市場予想を上回ったものの、投資拡大が2018年上期の利益を圧迫するとの見通しを示したことが嫌気され5%を超える下落となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.72%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に340円近く下げた日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の午前11時頃からトランプ米大統領による一般教書演説が行われる予定でマーケットの反応が注目されます。さらに本日は決算発表前半戦のピークで数多くの企業が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)