NYダウ: 23434.19  △33.33 (10/27)
NASDAQ: 6701.26  △144.49 (10/27)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は主力ハイテク企業の市場予想を上回る決算を好感して上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。朝方に47ドル安まで売られたダウ平均ですが、下げ渋り切り返すと徐々に買いが優勢となり午後は小幅高で推移しました。結局ダウ平均は33ドル高の23,434ドルと続伸して取引を終えています。また、S&P500株価指数が20ポイント高の2,581ポイントと続伸し20日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も144ポイント高の6,701ポイントと3日ぶりに反発し、こちらも20日に付けた史上最高値を更新し2%を上回る大幅高となっています。

2.経済指標等
7-9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率換算で3.0%増となり市場予想を上回りました。一方で10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は100.7と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や一般消費財・サービス、公益事業などの6業種が上げ、情報技術が3%近く上げたほか、一般消費財・サービスも1%を超える上昇となっています。一方で生活必需品や素材、金融などの5業種が下げ、生活必需品は1%近い下落となっています。

4.個別銘柄動向
市場予想を上回る決算を発表したインテル(INTC)とマイクロソフト(MSFT)が大幅高となりました。インテルが7%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、マイクロソフトも6%を上回る上昇となっています。また、iPhoneXの事前注文が非常に好調と伝わったアップル(AAPL)も3%以上上昇し、インテルとマイクロソフト、アップルの3銘柄でダウ平均を100ドル近く押し上げています。一方、決算で売上高が市場予想に届かなかったメルク(MRK)が6%安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。特殊要因を除く1株利益が市場予想を下回ったシェブロン(CVX)も4%を上回る下げとなり、メルクとシェブロンの2銘柄でダウ平均を50ドル以上押し下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、大幅な増益決算を発表したグーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)が大きく上げ、アルファベットが4 %を上回る上昇となり、アマゾン・ドット・コムは13%以上上げ急伸しています。マイクロソフトとアマゾンはそれぞれ上場来高値を更新しました。

5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.41%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国株高を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか25日移動平均線とのかい離が5%に近づいている日経平均が一日を通して堅調さを維持し、21年3カ月ぶりに回復した22,000円台を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)