1.概況
本日の日経平均は268円高の2万2008円と大幅に続伸して日経平均は1996年7月以来21年3ヶ月ぶりに2万2000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均が上昇したこと、ドル円が114円台まで円安に振れたことを受け日経平均は163円高の2万1903円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に75円高まで上げ幅を縮めましたが切り返すとその後はほぼ一本調子の上昇で前場を203円高で終えました。日経平均は後場に入っても高値圏で堅調に推移すると引けにかけてじりじりと上げ幅を広げて結局2万2008円とほぼ高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆1008億円と3兆円超えの大商いとなりました。東証33業種は2%を超える上昇で上昇率トップとなった銀行業のほか、医薬品、情報・通信業、繊維製品、パルプ・紙など31業種が上昇しました。一方で電気・ガス業と空運業の2業種は小幅に下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね堅調でした。売買代金トップの三菱UFJ(8306)が3%近く上げたほか、任天堂(7974)、三井住友(8316)、ファナック(6954)、みずほ(8411)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)などがそれぞれ上昇しました。一方で完成車の無資格検査を行っていたことが判明したSUBARU(7270)は3%近く下げました。また、昨日発表した中間決算で7-9月期の売上高が前年同期比9%近い減収で営業利益は38%近い減益となった富士通(6702)は売買代金7位に入って7%近い大幅安となりました。その他材料が出たところでは、7-9月期の業績は前年同期比減収減益だったものの自社株買いの発表を行ったNTTドコモ(9437)は2.2%高としっかりでした。一方で中間期の営業利益が市場のコンセンサスを大幅に下回ったセイコーエプソン(6724)は7%超の大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場は強気なセンチメントが継続し、日経平均は2万2000円の節目を回復しました。日経平均は節目を回復して達成感が出やすいことに加えて引き続き日経平均の25日移動平均線乖離率は5%近くと、一般的に天井の目安とされやすい水準にあり短期的な株価調整には警戒を払いたいところです。一方で日本企業の業績は好調で上方修正が相次いでおり、株価の下支え効果となりそうです。来週は30日から31日にかけて日銀の金融政策決定会合、31日から1日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)と日米の金融政策についての会合が続きます。特に日銀の金融政策決定会合では前回の会合で現在の緩和では足りないと主張した片岡剛士審議委員が具体的な追加緩和策の提案を行うのかという点に注目が集まっています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)