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NASDAQ: 6121.23  △5.27 (5/12)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。冴えない小売りの決算や小売売上高を受けてダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、時価総額の大きいハイテク株の一角が買われたナスダック総合株価指数は反発しました。ダウ平均は一時50ドル安近くまで売られるなど一日を通して軟調に推移し22ドル安の20,896ドルと4日続落で取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の2,390ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5ポイント高の6,121ポイントと反発しています。

2.経済指標等
4月の米小売売上高は前月比0.4%増となったものの、市場予想は下回りました。4月の米消費者物価指数(CPI)も前年同月比2.2%上昇と3月から伸びが鈍化し市場予想を下回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は1.9%上昇となりこちらも市場予想を下回っています。一方で5月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は97.7となり市場予想を上回りました。3月の米企業在庫も前月比0.2%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや金融、不動産などの9業種が下げました。一方で公益事業と情報技術の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向
既存店売上高が市場予想を超える落ち込みとなった百貨店のJCペニー(JCP)が急落しました。こうしたなか前日同様に他の小売りにも売りが波及し、ノードストローム(JWN)も急落したほか、メーシーズ(M)も大幅安となりました。また、投資判断の引き下げを嫌気してゼネラル・エレクトリック(GE)が2%超下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方で目標株価の引き上げを受けてアップル(AAPL)が1 %超上昇し上場来高値を更新しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は米CPIや米小売売上高が市場予想を下回ったことで0.06%低い2.32%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて続落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均が底堅さをみせ下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)