NYダウ: 21012.28 △5.34 (5/8)
NASDAQ: 6102.66 △1.90 (5/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はアップル(AAPL)の上昇が相場の支えとなり続伸となったものの、利益確定の売りが出て小幅な上昇に止まりほぼ横ばいとなりました。軟調な展開が続いたダウ平均ですが昼過ぎには一旦プラスに転じました。その後、上値が伸び悩むと再び下落に転じましたが、引けにかけて持ち直し結局5ドル高の21,012ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数が0.09ポイント高の2,399ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の6,102ポイントとなり、ともに史上最高値を連日で小幅に更新しています。
2.経済指標等
4月の米労働市場情勢指数(LMCI)は3.5と上方修正された前月から小幅に悪化したものの、市場予想は上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やヘルスケア、不動産などの7業種が下げました。一方でエネルギーや情報技術などの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
アップルが3%近く上げ、連日で上場来高値を更新しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa)が3月末で保有するアップル株が昨年末に比べ2.7倍となったことが明らかになり買われました。また、原油高を受けてエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)も1%前後の上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、高級服飾のケイト・スペード(KATE)を24億ドルで買収すると発表したコーチ(COH)が収益拡大期待から大幅高となりました。ケイト・スペードも買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。放送大手のトリビューン・メディア(TRCO)も同業のシンクレア・ブロードキャスト・グループ(SBGI)による買収が伝わり大幅高となりました。シンクレア・ブロードキャスト・グループは財務負担を懸念した売りで下げています。さらに決算が市場予想を上回った日用品のニューウェル・ブランズ(NWL)も急伸しています。一方で決算が市場予想を下回った精肉最大手のタイソン・フーズ(TSN)が大幅安となったほか、投資判断の引き下げを嫌気して半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が軟調でした。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.38%となりました。ドル円はさらに円安が進み113円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が一段と円安となっていることから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に450円高と大きく上昇した後だけに日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうで、20,000円の大台を試すような展開となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)