1.概況
本日の日経平均は203円高の1万9079円と3日続伸し、3月30日以来約3週間ぶりに1万9000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。フランス大統領選の結果を好感し昨日の米国市場で主要指数は大きく上昇しましたが、昨日日経平均はその結果を先取りする格好で上昇していたことから3円安と小動きで寄り付きました。日経平均はすぐにプラスに転じると警戒されていた北朝鮮からの軍事的挑発が伝わらなかったことが好感されてか、その後はほぼ1日を通し上げ幅を広げる展開となりました。日経平均は11時頃に1万9000円の節目を回復すると、前場を158円高の1万9034円とその時点の高値圏で取引を終えました。後場に入ってしばらくは前引けの水準でもみ合いましたが、日経平均は14時半頃から一段高となり一時は233円高の1万9109円と1万9100円台をつける場面もありました。引けにかけて高値からはやや上げ幅を縮めたものの、日経平均はそのまま高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3018億円と2兆円を上回る活況となりました。東証33業種は情報・通信業と医薬品を除く31業種が上昇しました。中でも保険業や証券商品先物といった金融関連業種が高い上昇率となりました。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。任天堂(7974)やソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)の売買代金上位3社は揃って2%超上昇しました。トヨタ自動車(7203)や三井住友(8316)、東芝(6502)もそれぞれ上昇しました。材料が出たところでは、9月にも宅配便の基本運賃を5~20%引き上げる方針と報じられた宅配便首位のヤマトホールディングス(9064)は、今後の業績改善を期待する買いが入り5.6%の大幅高となりました。一方で今期の営業利益が前期推定から微増にとどまりそうだと報じられたNTTドコモ(9437)は失望売りが出たのか2.1%安と軟調でした。NTT(9432)やKDDI(9433)もそれぞれ値を下げています。また、前期の営業利益が前期比3%増の1100億円程度になった模様だと報じられたディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(4661)も1.3%安と下落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大きく上昇し1万9000円台を回復しました。フランス大統領選をひとまず無難に通過したこと、警戒されていた北朝鮮からの軍事的挑発が伝わらなかったことで市場のリスクオフムードがやや和らいだようです。今夜の米国市場ではカンファレンスボード消費者信頼感指数や新築住宅販売件数など重要な経済指標の発表が予定されています。足元で発表された米国の経済指標はやや弱いものが目立っており、市場予想では前述の2指標とも前月から悪化すると予想されています。市場予想以上に悪化幅が大きくなれば、米国経済への強気な見方が後退して米金利低下・円高圧力となる可能性があり注意が必要です。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)