1.概況
本日の日経平均は255円高の1万8875円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も大きく上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は2%安と続落しています。昨日行われたフランス大統領選の第1回投票でエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進む見通しとなり、2人の決選投票となればマクロン氏が勝利する可能性が高いと報じられました。EU離脱などを主張しているルペン氏が勝利すれば政治リスクが高まるとの懸念がありましたが、その可能性が低下したことを好感してユーロが買われ、ドル円も朝方から110円台前半まで円安に振れました。円安進行を好感し、日経平均は269円高の1万8890円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を290円近くまで広げましたが、そこが1日の高値となるとその後は1日を通して高値圏で小幅な値動きとなりました。前場を249円高で終えた日経平均は後場に入るとやや上げ幅を縮めましたが、引けにかけて再び盛り返し255円高と前引けとほぼ同水準で大引けを迎えました。東証1部の売買代金は2兆1193億円と4営業日連続で活況の目安とされる2兆円を上回っています。東証33業種は陸運業や精密機器など30業種が上昇しました。鉄鋼、石油石炭製品、鉱業の3業種は下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんど上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、レナウン(3606)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも上昇しています。ソニーは今期の営業利益が5000億円程度と前期比で約8割増えそうだとの観測報道が好感され、4%近く上昇しました。一方で売買代金7位に入ったSUMCO(3436)は5%近い大幅安となりました。朝方は3.5%まで上昇しましたが、先週末まで4日続伸と足元まで大きく上昇していたことから利益確定売りが出たようです。その他材料が出たところでは、パナホーム(1924)が20%近い大幅高となりました。同社はパナソニック(6752)との株式交換で完全子会社となり上場廃止予定でしたが、パナソニックによる株式公開買い付け(TOB)に変更すると発表したことが材料視されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
フランス大統領選の第1回投票が事前に予想されていた無難な結果となったことが好感され円安が進み、日経平均も大幅高となりました。先週金曜日の当欄でも記しましたが、今週は重要イベンが目白押しです。明日25日は北朝鮮の軍創建85周年に当たり、なんらかの軍事的挑発が行われるのではないかと警戒されています。また、日銀や欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合、日本企業の決算発表など週を通して重要なイベントが続きそれぞれ市場の材料となる可能性があり注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)