NYダウ: 20611.86 △107.45 (2/15)
NASDAQ: 5819.44 △36.87 (2/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ大統領が小売業界の幹部との会談で改めて税制改革に言及したことに加え、米小売売上高や米消費者物価指数が市場予想を上回ったことなどを受けて続伸となり、主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新しました。小幅に下げて始まったダウ平均ですが、直ぐにプラスに転じるとその後は一日を通して上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は107ドル高の20,611ドルと高値圏で取引を終え5営業日連続で史上最高値を更新しました。また、S&P500株価指数も11ポイント高の2,349ポイントと7営業日続伸となり、こちらも5営業日連続で史上最高値を更新しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も36ポイント高の5,819ポイントとなり、こちらは7営業日連続で史上最高値を付けています。
2.経済指標等
1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇し市場予想を上回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も2.3%上昇し市場予想を上回っています。1月の米小売売上高も前月比0.4%増となり市場予想を上回りました。2月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数も18.7となり市場予想を上回っています。一方で1月の米鉱工業生産は前月比0.3%低下し横ばいを見込んでいた市場予想を下回りました。1月の米設備稼働率も前月比0.3ポイント低下の75.3%となり市場予想を下回っています。2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も65となり市場予想を下回っています。20116年12月の米企業在庫は前期比0.4%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアや生活必需品、金融など7業種が上げ、ヘルスケアは1%を超える上昇となりました。一方で公益事業とエネルギー、不動産、素材の4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
著名投資家が率いるヘッジファンドが35億ドル分の株式を買い付けたと発表したことでプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が3%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、金利上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)が買われ、ゴールドマン・サックスは上場来高値を付けています。一方でアルツハイマー向け新薬の研究を中止すると発表したメルク(MRK)が下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、クーポン共同購入サイトのグルーポン(GRPN)は決算が市場予想を上回ったことで急伸しています。ペプシコ(PEP)は業績の見通しが慎重と受け止められ小幅に下げました。
5.為替・金利等
長期金利は小売売上高や米消費者物価指数が市場予想を上回ったことで0.02%高い2.49%となりました。こうしたなかドル円は一時115円近くまで円安となる場面もありましたが、朝方は114円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に200円近く上げた日経平均が節目の19,500円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)