NYダウ: 20172.40  △118.06 (2/9)
NASDAQ: 5715.18  △32.73 (2/9)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ米大統領が米航空会社幹部との会談で税制改革について今後2、3週間以内に発表すると述べたと伝わったことで上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。上昇して始まったダウ平均は昼前に140ドル高余りまで上げ幅を広げその後も高値圏で堅調に推移すると、取引終盤には152ドル高まで買われ20,200ドルを上回る場面もみられました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局118ドル高の20,172ドルとなり、先月26日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も13ポイント高の2,307ポイントとなり先月25日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は32ポイント高の5,715ポイントとなり3営業日連続で史上最高値を付けています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の23万4000件となり悪化を見込んでいた市場予想を下回って改善しました。また、2016年12月の米卸売在庫は前月比1.0%増となり市場予想と一致したほか、米卸売売上高は前月比2.6%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財・サービス、一般消費財・サービスなど9業種が上げ、金融が1%を超える上昇となったほか、エネルギーも1%近く上げました。一方で公益事業と素材の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上昇し、なかでもナイキ(NKE)が2%を超える上昇となったほか、ウォルマート・ストアーズ(WMT)も2%近く上げました。また、金利上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)も買われています。一方でインテル(INTC)やコカ・コーラ(KO)など4銘柄が下げ、コカ・コーラは決算が減収減益となったうえ、通期の利益見通しが市場予想に届かなかったことで2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、トランプ米大統領が航空業界の規制緩和や施設への投資促進などについても言及したことからアメリカン航空(AAL)やデルタ航空(DAL)が買われました。決算で最終赤字が拡大したツイッター(TWTR)は急落しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い2.39%となりました。ドル円はトランプ大統領の発言を受けてドルが買われ円安に振れました。朝方は113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことに加えて、ドル円も113円台を付け円安に振れていることから本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の19,000円を超えて上値を伸ばしそうで、一目均衡表の雲の上限(19,111円)や25日移動平均線(昨日時点で19,115円)を抜けてきそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)