1.概況
本日の日経平均は104円高の1万7967円と続伸し一時は1万8000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅安となりました。昨日の米国市場が上昇し、ドル円が110円台まで円安に振れたことを受け日経平均は161円高の1万8024円と、寄り付きから1万8000円を回復しました。その後日経平均は1日を通して1万8000円を挟んでのもみ合いとなりました。前場を149円高で終えた日経平均は、後場に入っても1万8000円を割り込むとすぐに値を戻し1万8000円を回復するものの上値は伸ばせずといった展開が続きました。日経平均は週末ということもあってか引けにかけてやや売りに押され、結局安値引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆7241億円と引き続き高水準でした。東証33業種は24業種が上昇し、中でも海運業と輸送用機器がともに2%を超える上昇となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)、4位の三井住友(8316)、5位のみずほ(8411)とメガバンク3行は引き続き利益確定売りに押され揃って続落しました。一方円安進行や複数の証券会社からの目標株価引き上げが好感されたトヨタ自動車(7203)は2.7%高としっかりでした。また、円安進行やバルチック海運指数の上昇が好感され、海運各社の上昇が目立ちました。NSユナイテッド海運(9110)が11%超上昇したほか、飯野海運(9119)が6.1%高、明治海運(9115)が5.2%高などとなっています。材料が出たところでは、国内証券が新規に買い推奨を開始した眼鏡販売のJIN(3046)は5%超の上昇としっかりでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は1万8000円を回復した日経平均ですが、引けにかけて上げ幅を縮め終値では1万8000円を割り込みました。日経平均の予想PERは15倍強と割高感がある水準ではなく、足元の米ドル円の水準は企業の想定レートよりもかなり円安に振れていることから、この水準が続けば企業業績の上方修正も期待できるとみられます。これらからしてもう一段の株価上昇を期待できる可能性はもちろんありますが、一方で東証1部の騰落レシオは134%とやや過熱感が出始めています。ここからは株価上昇とともに売り上がっていくようなスタンスが望ましいかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)